イントロダクション
ストーリー
作家志望の兄と自由奔放な妹のふたりがミステリアスな下宿人を好きになったことで、伝統を重んじる保守的な家族は崩壊の危機をむかえることに…….。
スタッフ・キャスト
監督 : サチン・クンダルカル『あなたを夢みて』
脚本 : サチン・クンダルカル 『あなたを夢みて』
出演 : プラティーク・バッバル『フォー・モア・ショット・プリーズ!』『Modern Love Mumbai』
アンジャリ・シヴァラマン『クラス』
ジータンジャリ・クルカルニー『あなたの名前を呼べたなら』『ガンジスに還る』
クレジット
撮影:
音楽 :
編集 :
2022年 / ヒンディー語 / 113分
短評
マラーティ語映画監督サチン・クンダルカルにとって、ラーニー・ムケルジー主演作『あなたを夢みて』に続いての2作目のヒンディー語作品であるが、それと同時にサチンが執筆した小説を映画化したものとなっている。
サチンは同性愛者であることをカミングアウトしている監督であり、これまでの作品の中でも「男らしさ、女らしさ」という固定概念を崩そうとするような作品を多く手掛けてきている。
オムニバスドラマ『フィール・ライク・イシュク』の中のエピソード「インタビュー」であってもそれを感じるほどだ。
しかし今回は、原作小説自体が自伝的な部分も含まれているのか、かなり直接的にLGBTQに踏み込んだ作品となっている。
LGBTQに触れた作品というのは,2010年以降に徐々に増えてきていて、アーリヤー・バット主演の『スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!』においても、リシ・カプール演じる校長は同性愛者という設定であるし、配信系ドラマではそういったマイノリティをもつキャラクターが年々増えてきているものの、ここまで踏み込んだ描写のある作品は珍しいかもしれない。
ルカ・グァダニーノの『君の名前で僕を呼んで』を意識したような感じがしないでもないが、男性同士のセックスシーンがかなり生々しく描かれている。
またドラマ『クラス』にも出演している若手女優アンジャリ・シヴァラマン演じる妹アヌジャはいわゆる保守的な「女らしさ」を嫌っている。明確に描写はないがトランスジェンダーなのかもしれない。
どれだけサチンの自伝的要素が含まれているかは不明だが、インドの保守的な概念・価値観に苦しむ現代の若者、あるいはかつて苦しんだ世代の視点を通して、自分に正直になるべきなのかを描いている。
ミステリアスな下宿人を演じているのは『フォー・モア・ショット・プリーズ!』のジェー役でお馴染みプラティーク・バッバルということもあって、若手の実力派俳優が多数出演しているのにも注目してほしい
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