イントロダクション
ストーリー
スタッフ・キャスト
監督 : カラン・ジョーハル『家族の四季 -愛すれど遠く離れて-』『たとえ明日が来なくても』
脚本 : カラン・ジョーハル『家族の四季 -愛すれど遠く離れて-』『たとえ明日が来なくても』
出演 : シャー・ルク・カーン『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『チェンナイ・エクスプレス 〜愛と勇気のヒーロー参上〜』
カジョール『トリバンガ ~踊れ艶やかに~』『勇者は再び巡り会う』
ラーニー・ムケルジー『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『あなたを夢みて』
サルマン・カーン『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『 プレーム兄貴、王になる 』
アヌパム・カー『世界にひとつのプレイブック』『プレーム兄貴、王になる』
リーマ・ラグー『たとえ明日が来なくても』『サージャン/愛しい人』
サナー・サイード『スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!』『ムンナー・マイケル』
クレジット
撮影:Santhosh Thundiyil
音楽 : ジャティン・パンディット
編集 : サンジャイ・サンクラ
1998年/インド/カラー/177分
短評
『シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦』で誕生したシャー・ルク・カーンとカジョールの「黄金コンビが再び」ということで、話題になった作品であるのと同時に、カラン・ジョーハルの長編監督デビュー作品でもある。
さらにカジョールの従妹で、のちに『家族の四季 -愛すれど遠く離れて-』にも出演し、シャー・ルクとカジョール同様に、カラン作品の常連となっていくラーニー・ムケルジーも出演している。この3人の安定感は、ここから始まったといえるだろう。
物語としては、すごくシンプルな三角関係を描いた学園ドラマとその後の物語。歩けば当たるほどの、本当によくある王道の少女漫画のような設定だ。
シャー・ルク演じるラーフルと、カジョール演じるスポーツ好きで男勝りなアンジャリ、そしてラーニー演じるティナの友情と恋愛の物語ではあって、爽やかな青春ものかと思うかもしれないが、なかなかゲスな物語である。
というのも、ラーフルと結果的に結ばれるのは、ティナであることが冒頭でわかる。どちらの女性を選ぶかという少女漫画における楽しみは、すでに冒頭で崩壊させられてしまう。
さらにティナは娘を産んだ後に亡くなってしまう。その娘に親友だった”アンジャリ”という名前を付ける(それもどうかと思うが……)。それから数年が経ち、アンジャリは誕生日に亡き母からの手紙を受け取ると、そこには、自分の名前の由来となったアンジャリのことが書かれていた。
ここからアンジャリ(娘)がどうするのかと思いきや、父親はどうやら母親と同時にアンジャリも好きだったことを知り、アンジャリと父親を再会させて、あわよくば結婚でもさせてやろうという、奇想天外な計画を立て始める。
その物語と並行して、学生時代の物語もフラッシュバックされていくが、ラーニーもカジョールも、同年に撮影したとは思えないぐらい、年齢差を巧みに演じわけているのは流石だ。
残念ながらアンジャリには、すでに婚約者がおり、結婚も間近といったところだったが、それを知ったアンジャリ(娘)は、諦めるのではなく、その結婚自体をぶち壊してやろうという、さらに自分勝手な計画を遂行する。
アンジャリもラーフルも、長期間連絡をとっていなかったというのに、満更ではない。冷静になって考えると、悪気のない二股男がどちらの女性とも結ばれる物語であるが、そこはカランの演出によって、ドラマチックにコーティングされていて、やはり感動してしまう。
ちなみにアンジャリの婚約者を演じているのは、サルマン・カーンであるが、この婚約者の物分かりの速さも見事と言っていいほどで、すんなりと状況を把握し、アンジャリを差し出してくれる。
全てがご都合主義の物語ではあるし、純愛の残酷さというのも感じてしまう作品ではあるが、シャー・ルクとカジョールが結ばれるなら、それでも良いと思ってしまう不思議な感覚にとらわれてしまう…….
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