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THE映画紹介『白い肌の異常な夜』封鎖されたコミュニティの中で欲望のままに行動した男の末路

THE映画紹介『白い肌の異常な夜』封鎖されたコミュニティの中で欲望のままに行動した男の末路

THE映画紹介とは?

THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。

アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!

今回紹介するのは『白い肌の異常な夜』

作品情報

南北戦争の末期。南部の林の中にある女子学園の生徒が重傷を負った北軍の兵士マクバーニーを見つけ、園内に運び込む。教師のエドウィナや女子生徒たち、そして院長マーサによってかくまわれたマクビーは次第に回復していく。しかし生徒が彼を誘惑。エドウィナがそれに嫉妬し……。監督ドン・シーゲル&主演クリント・イーストウッドのコンビによる異色のエロティック・サスペンス。

『白い肌の異常な夜』基本情報

1971年製作/105分/アメリカ
原題:The Beguiled

監督: 『ダーティ・ハリー』『突撃隊』ドン・シーゲル

出演 :

運び屋』『グラン・トリノ』クリント・イーストウッド

『インテリア』『ホワイトナイツ 白夜』ジェラルディン・ペイジ

『いつか見た青い空』『ウォーキング・トール』エリザベス・ハートマン

『ピラニア』 メロディ・トーマスほか

短評

『真夏の死闘』『マンハッタン無宿』などクリント・イーストウッドとの相性が良い監督ドン・シーゲルによって製作された『ダーティ・ハリー』と同時期である1971年に公開された作品である。

原作はアメリカ人作家トーマス・カリナンの代表作「The Beguiled」であり、2017年にも『マリー・アントワネット』『ブリングリング』のソフィア・コッポラによって再映画化されている。

1975年の水曜ロードショーでは『セックスパニック 白い肌の異常な夜』という奇抜なタイトルで放送されたのだが、これだと男に飢えた女性に迫られるかのような印象を受けるかもしれないが、実はそうではない。

確かに、あらゆる女性と関係をもってしまう内容ではあるが、今作は南北戦争末期である1864年頃が舞台となっており、唯でさえ男性が戦争に行っていて、あまりいない状態下で更に女子寄宿学園という男っ気が全くない場所に負傷した敵軍である男が運び込まれるというところから始まる物語である。

その女子寄宿学園には、幼い子たちも何人かいて、その子たちは「男」という存在がどんなものかもわからないし、その中で生活する女性たちも同様に「男」というものに実感がなかったり、他人の話や自分の親族の思い出の中から作り上げられた男性像を思い浮かべるしかない。

当時は文学はあったにしても、テレビやラジオなどがあるわけではないため、現実社会から孤立してしまっている女性たちにとって、その男がどんな性格の持ち主で、どんな相手であっても、戦争への不安や孤立感自分の中の男性像とおとぎ話のような幻想を重ね合わせることで独自の男性像作り出し、それをイーストウッド演じるマクバニーの中に見てしまっているのだ

それを本能のままに受け入れてしまい、次々と手を出していく男の末路を描いており、今作を観てマクバニーに感情移入してしまうと、女性は恐ろしいと思う人もいるかもしれないが、女性の恐ろしさを描いているのではなく、男の身勝手さや男の性的対照として、道具のように扱う女性蔑視の末路を描いているのだ。

ネタバレになってしまうため、詳細は言うことができないが、終盤での展開も自業自得であるし、それでも助けようとした女性たちの決断は、嫉妬や憎悪からなるものではないように感じられる。逆上したマクバニーから身を守るための選択と考えると、異常な行動とは考えられない。

当時、女性や有色人種を道具のように扱っていた、完全に男性社会の映画業界に異議を唱えるような勇気ある作品ではあるし、若い頃のイーストウッドがそんな男を演じるということにリアリティを感じるというか、皮肉的でもある。

ドン・シーゲル監督作品

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