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THE映画紹介『スパイダーマン3』ソニー・ピクチャーズがサム・ライミの意見を押し切ってヴェノムを登場させたものの……

アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!

今回紹介するのは『スパイダーマン3』

作品情報

ブラック・スパイダーマンとなったピーターは、その黒いスーツがもたらす新たなパワーに酔いしれ、怒りを制御することができない。彼に何が起こったのか—?慕っていた叔父を殺した犯人への復讐。スパイーダーマンを父の仇と信じ込む親友ハリーとの決闘。未来を誓い合った恋人メリー・ジェーンとの心のすれ違い。そこに現れるグウェンとの微妙な恋愛関係。悲しき運命の連鎖が、彼を究極の戦いへと導く。さらに新たな脅威ヴェノムがスパイダーマンに襲いかかる!戦いは、ニュー・ゴブリン、サンドマンを巻き込み、熾烈さを増していく・・・・。

『スパイダーマン3』基本情報

2007年製作/139分/アメリカ
原題:Spider-Man 3

監督 : 『死霊のはらわた』『ダークマン』サム・ライミ

脚本: 『アメイジング・スパイダーマン』『運命の女』 アルヴィン・サージェント

出演 :

『シービスケット』『華麗なるギャツビー』トビー・マグワイア

ドリーム』『エリザベスタウン』キルスティン・ダンスト

ブラック・クランズマン』『スイング・ステート』トファー・グレイス

ヘルボーイ』『ホームメイト!』トーマス・ヘイデン・チャーチ

『レディ・イン・ザ・ウォーター』『ロケットマン』ブライス・ダラス・ハワード

『スパイダー』『ゾンビーノ』ディラン・ベイカー

ライトハウス』『ポップスター』ウィレム・デフォー

『死霊のはらわた』『マニアック・コップ』ブルース・キャンベル

『容疑者』『ディザスター・アーティスト』ジェームズ・フランコ

ブライトバーン 恐怖の拡散者』『チャーリーズ・エンジェル』エリザベス・バンクス

マダム・メドラーおせっかいは幸せの始まり』『パーム・スプリングス』J・K・シモンズ

短評

今までサム・ライミが拘っていたこともあって、ご近所トラブルの延長線上のような物語を描き続けてきた「スパイダーマン」シリーズの中で、宇宙からの寄生生命体シンビオートという設定を取込むことに抵抗があったことは言うまでもないが、ソニー側の猛プッシュでついにヴェノムが登場。

ただでさえヴィランがサンドマン、ニュー・ゴブリン、そして黒く染まった自分自身と3人いるうえに、宇宙からのヴェノムという設定は、散らかることは目に見えており、実際問題そうなっている。

ピーターとMJの恋愛模様に、ピーターとハリーの友情の修復、新たな恋のライバルも登場……と3作品分ぐらいの要素を詰め込んだものの、あふれている状態でヴィランもたくさん出てくるのは、まさに自殺行為といえるだろう。

ピーターがシンビオートに取り付かれたことで、その力や解放感に包まれるドラッグのような感覚で、新しく登場するグウェンに猛アプローチをかけるなど、見ていられないシーンが続く。

グウェンも無駄遣いといった印象が残るが、『スパイダーマン4』が予定通り製作されれば、再登場したのかもしれない。

そもそもトビー・マグワイヤという役者がピーター・パーカーに近いような人物であって、役のために奥手でもどかしい役になっているわけではないこともあって、プレイボーイのような役が全く合わないことが、これで改めて感じられて、かなり痛々しい。

険悪になってしまった、ハリーとの関係修復もやっつけ仕事のように、あっさりと解決してしまう。まさかのタイミングで執事?お手伝いさん?がピーターがノーマン・オズボーンを殺したわけではないと告白。『スパイダーマン2』の段階でハリーはスパイダーマンに対しての敵意をむき出しにしていたのだから、もっと早く言ってあげればいいのに、おかしなタイミングでの告白に困惑を隠せない。

全てがご都合主義で展開される、ごちゃごちゃな物語構成は難があるものの、ヒーローやヴィランがたくさん登場する画は、わくわくしてしまうのは正直なところ。

映画としては、散らかった作品になってしまったが、画的にはおもしろい作品だったといえる。

ただ不安なのが『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が同じような環境で作られているような感じがしてならないだけに、新3部作の製作が決定したといっても、まだ信用できない。

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