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『バフィー 〜恋する十字架〜』『吸血キラー/聖少女バフィー』徹底解説:S4-03「残酷な日の光」

バフィー恋する十字架とは?

今となっては『アベンジャーズ』や『ジャスティス・リーグ』などといったメジャー大作の監督というイメージが強いジョス・ウェドンの出世作であり、その後のクリエイターたちに大きな影響を与え続けた伝説的海外ドラマ『 バフィー~恋する十字架~ 』

VHSでは『ナイトフォール』として全3巻の編集版がリリースされ、金曜ロードショーで地上波放送された後、続編のリリースはされずCSのFOXチャンネルで放送されていた。

FOXがDVDをリリースする際に付けられたタイトルは『吸血キラー/聖少女バフィー』であったが、特に人気を博したシーズン3以降は日本ではリリースされなかった。

商品化やゲーム化もされており、日本でもXboxのソフトが英語版のままという異例のスタイルで発売されるなど、多くのファンを抱えていた。

シーズン7とスピンオフの『エンジェル』が制作され、最終回後アニメシリーズして存続するはずだったが、直前でキャンセルとなる。シーズン3から登場する新キャラクターのフェイスを主人公としてドラマ『フェイス』の企画もあったが、エリーザ・ドゥシュクが『トゥルー・コーリング』への出演を選択したことで、企画はボツになった。

その後も映画化企画や黒人女性を主人公としてリブートする企画なども浮上するものの、映像化は実現に至っていなかったが、コミックシリーズとしても現在も続いている。そんな『バフィー~恋する十字架~』がDisney+にSTARが融合したタイミングで配信開始!!

さすがオタククリエイターのジョス・ウェドンということもあって、かなりの量の小ネタが満載だったり、この頃は無名だったのに、今では映画スターになった俳優たちなどを紹介しながら、作品自体、エピソード自体の魅力も伝えていこう!という企画からスタートした新コーナー!

またネタを拾うために、ストーリーに沿った解説はしているが、観なくても済むようには書いていないため、細かい展開を省いている場合もあるのでご了承を!

1日1話ごと、17時に更新!!

シーズン4のメインキャスト

バフィー・アン・サマーズ役:サラ・ミシェル・ゲラー『スクリーム2』『スクービー・ドゥー

ウィロー・ローゼンバーグ役:アリソン・ハニガン『花嫁はエイリアン』『アメリカン・パイ』

ルパート・ジャイルズ役:アンソニー・スチュワート・ヘッド『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』『ゴーストライダー2』

ザンダー・ハリス役:ニコラス・ブレンドン 『サイコ・ビーチ・パーティ』『ニューヨーカーに変身する方法』

ダニエル・オズボーン(オズ)役:セス・グリーンプッシーキャッツ』『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー

スパイク役:ジェームズ・マースターズ『ファイナル・デッド ダーク・ウォッチャー』『DRAGONBALL EVOLUTION』

アンヤ・ジェンキンズ(アニヤンカ)役:エマ・コールフィールド『黒の怨』『ワンダヴィジョン』

タラ・マックレイ役:アンバー・ベンソン『ナイトレイジ』『あのころ僕らは』

ライリー・フィン:マーク・ブルカス『ナイト&デイ』『ダークサイド』

ジョイス・サマーズ(バフィーの母):クリスティン・サザーランド『ミクロキッズ』

S4-03『残酷な日の光』

シーズン4第3話「残酷な日の光」は、『エンジェル』との初のクロスオーバー・エピソードであり、セックスによって変わりゆく男女の関係性を描いたものとなっている。

ブロンズでオズのバンドが演奏しているのをバックに、バフィーとウィローが会話をしているシーンから始まる。この時、久しぶりにデヴォン(ジェイソン・ホール)が再登場。死ぬわけではないが、残念なことに今回が最後の登場となる。

バフィーとパーカーは恋人になる寸前。互いに距離感を詰めている様子であり、それを見ているウィローはもどかしい。

バフィーとパーカーは先に寮に戻ることになる。ウィローとオズが帰る途中でハーモニー(メルセデス・マクナブ)と再会。ハーモニーはシーズン3の最終話「卒業の日 Part2」でバンパイアにされていることから、バンパイアになったハーモニーがウィローに噛みつく。

オズが助けに入り、ハーモニーは「彼氏が怒るわよ」と言って逃げ出す。

一方バフィーとパーカーは、道中でバフィーの首の傷(「卒業の日 Part2」でバフィーがエンジェルに血を吸わせた痕)について、子犬に噛まれたとごまかす。

パーカーは父親を最近亡くしたことを告白。バフィーも直接的には言わないがシーズン1の最終話「予言の少女」で溺れて死にかけたことを告白する。互いの秘密を告白して、打ち解けあったと感じたバフィーはパーカーとパーティいに行く約束をする。

ジャイルズの家でバイトをしていたザンダーを訪ねてきたのは、アンヤ (エマ・コールフィールド) だった。アンヤはザンダーのことが忘れられないと言うが、ザンダーは悪魔とは上手くいかないとアンヤを拒む。

このエピソードを皮切りに、アンヤはサブキャラクターとして参加することになる。

ウィローとオズは、ハーモニーがバンパイアになったことをバフィーに伝えに来る。このシーンの会話の中で、デヴォンが以前、ハーモニーと付き合っていたことが発覚する。

ハーモニーは、採掘現場に訪れると、そこにいたのはスパイクだった。スパイクと手下のバンパイアたちは、何かを探していて地下を掘り進んでいた。ハーモニーはスパイクにウィローを殺してほしいと頼むが、ウィローを殺して、バフィーに見つかりたくないと言って断る。

スパイクとハーモニーは餌になる人間を探しにパーティに行くが、そこでバフィーとパーカーとばったり会ってしまい、思わず逃亡する。バフィーは隠れていたスパイクを見つけバトルになる。なぜサニーデールに戻ったかスパイクに尋ねるが、今はその時期じゃないと逃げようとしたところ、ハーモニーが口を滑らせアマーラの宝石が目当てであることを言ってしまう。

バフィーは、スパイクがアマーラの宝石を探していることをジャイルズに伝えるが、それは存在しないものだと言う。しかし、気になるためジャイルズは調べることにする。

ハーモニーは、退屈だからアントニオ・バンデラスをバンパイアにしたいと言うが、スパイクはついでにメラニー・グリフィスもバンパイアにしてこいと言うが、このセリフは当時、アントニオ・バンデラスメラリー・グリフィスがまだ夫婦であったということから成り立つセリフである。

アンヤはザンダーの住む実家の地下室を訪れ、ザンダーのことを忘れて前に進むために性行為をしたいと言う。ザンダーは関係をもつことを再び拒むがアンヤに迫られて関係をもってしまう。このシーンでザンダーは「フェイスよりはムードがある」と言うセリフがあるが、これはシーズン3の第13話「ツェッボ」でフェイスと関係をもったことを表している。

バフィーとパーカーも前に進むため関係をもつ。翌朝、パーカーの部屋で目が覚めたバフィーはもっと深い関係になりたいと思う。

実はバフィーがパーカーと関係をもつ流れは、サラ・ミシェル・ゲラーは反対だったそうだ。理由としては、今までエンジェルを想い続けて前に踏み出せない気持ちをシリーズを通して描いていたのに、時期が早すぎるのではないかと思ったから。しかし、ジョス・ウェドンの「大学生はバカなことをするもの」という意見が通り、バフィーとパーカーがセックスをする流れとなった。

そしてアンヤは忘れるためにセックスしたのに、忘れられないことに気付く。もしくは最初から、振り向かせるための口実だったのかもしれない。

バフィーは自分の部屋に戻ると、そこにはジャイルズがいた。ジャイルズはアマーラの宝石がサニーデールの地下に存在していることを発見したと伝え、バフィーはスパイクが見つける前に阻止しようとする。

しかしスパイクはアマーラの宝石を見つけてしまう。アマーラの宝石の効力は、不死身になること。つまり杭で刺されても、日の光を浴びても死なない体になるということだ。スパイクは、その喜びから思わず地上に出る。

一方、アマーラの場所の手がかりを見つけるため、もともとバイトで来ていたザンダー、そしてウィローとオズはジャイルズの家に集まっていた。

ザンダーは、本にしか興味がないと思っていたジャイルズがテレビを持っていたことを知り驚く。ウィローもそれが信じられず、テレビの形をしたアートだと思うが、実際にテレビが映ったことで驚く。ジャイルズはごまかそうと、今はテレビを観ていても解決しないと言うが、放送されていたニュースで道路が陥没している場所がわかり、そこに宝石があると思い、その現場に向かう。

このシーンは、何気ないギャグシーンに思えるかもしれないが、行き詰ったときには違った視点も必要だということを表しているのだ。

バフィーはスパイクとハーモニーを探している最中でパーカーに会うが、パーカーは別の女の子に声をかけている最中だった。バフィーはセックスしたことで関係が深まったと信じていたが、パーカーは軽い関係を望んでいたのだ。

その会話を聞いていたスパイクはバフィーに襲いかかり、日光の下で対決することになる。苦戦を強いられるが、宝石を奪うことに成功し、スパイクは立ち去る。

バフィーはエンジェルに宝石を渡すことを決意し、オズがバンドの演奏の帰りにロサンゼルスに寄って届けてくることを約束する。

これは『エンジェル』のシーズン1第3話「光と闇」とのクロスオーバーを意味しており、同エピソードにおいてオズとスパイクが登場する。

ラストに、パーカーのことでショックを隠し切れないバフィー、ザンダーとの距離が縮まらないアンヤ、そしてスパイクが自分を愛しておらず、道具のように扱われていることが許せないハーモニーの三人がそれぞれ別の道を歩くワンカットが意味深に映し出される。

これは、セックスによって始まる愛もあれば終わる愛もあり、さらにどちらとも言い難い行き場のない状況にもなってしまう。つまりセックスによって変わる男女の関係性というものを俯瞰的に見せているのだ。

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