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『バフィー 〜恋する十字架〜』『吸血キラー/聖少女バフィー』徹底解説:S3-13「ツェッボ」

バフィー恋する十字架とは?

今となっては『アベンジャーズ』や『ジャスティス・リーグ』などといったメジャー大作の監督というイメージが強いジョス・ウェドンの出世作であり、その後のクリエイターたちに大きな影響を与え続けた伝説的海外ドラマ『 バフィー~恋する十字架~ 』

VHSでは『ナイトフォール』として全3巻の編集版がリリースされ、金曜ロードショーで地上波放送された後、続編のリリースはされずCSのFOXチャンネルで放送されていた。

FOXがDVDをリリースする際に付けられたタイトルは『吸血キラー/聖少女バフィー』であったが、特に人気を博したシーズン3以降は日本ではリリースされなかった。

商品化やゲーム化もされており、日本でもXboxのソフトが英語版のままという異例のスタイルで発売されるなど、多くのファンを抱えていた。

シーズン7とスピンオフの『エンジェル』が制作され、最終回後アニメシリーズして存続するはずだったが、直前でキャンセルとなる。シーズン3から登場する新キャラクターのフェイスを主人公としてドラマ『フェイス』の企画もあったが、エリーザ・ドゥシュクが『トゥルー・コーリング』への出演を選択したことで、企画はボツになった。

その後も映画化企画や黒人女性を主人公としてリブートする企画なども浮上するものの、映像化は実現に至っていなかったが、コミックシリーズとしても現在も続いている。そんな『バフィー~恋する十字架~』がDisney+にSTARが融合したタイミングで配信開始!!

さすがオタククリエイターのジョス・ウェドンということもあって、かなりの量の小ネタが満載だったり、この頃は無名だったのに、今では映画スターになった俳優たちなどを紹介しながら、作品自体、エピソード自体の魅力も伝えていこう!という企画からスタートした新コーナー!

またネタを拾うために、ストーリーに沿った解説はしているが、観なくても済むようには書いていないため、細かい展開を省いている場合もあるのでご了承を!

1日1話ごと、17時に更新!!

シーズン3のメインキャスト

バフィー役:サラ・ミシェル・ゲラー『スクリーム2』『スクービー・ドゥー

ウィロー役:アリソン・ハニガン『花嫁はエイリアン』『アメリカン・パイ』

ジャイルズ役:アンソニー・スチュワート・ヘッド『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』『ゴーストライダー2』

ザンダー役:ニコラス・ブレンドン 『サイコ・ビーチ・パーティ』『ニューヨーカーに変身する方法』

コーディリア役:カリスマ・カーペンター『エクスペンダブルズ』『ホーンテッド・スクール』

オズ役:セス・グリーンプッシーキャッツ』『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー

フェイス役:エリーザ・ドゥシュククライモリ』『チアーズ!

ウェルキンス市長:ハリー・グローナー『アバウト・シュミット』『ダンス・ウィズ・ミー』

エンジェル役:デヴィッド・ボレナーズ『SEAL Team/シール・チーム』『バレンタイン』

スパイク役:ジェームズ・マースターズ『ファイナル・デッド ダーク・ウォッチャー』『DRAGONBALL EVOLUTION』

ジョイス(バフィーの母):クリスティン・サザーランド『ミクロキッズ』

S3-13『ツェッボ』

シーズン3第13話「ツェッポ」で、まず気になるのが、不思議なタイトルの意味である。原題は”The Zeppo”であることから、「ゼッポ」と言った方が正しいのだが、そもそもこのタイトルが示しているのは、マルクス兄弟というアメリカのコメディアン兄弟グループの末っ子、ゼッポ・マルクスのことである。

作品の趣旨を理解できていなかったことが原因で、意味のわからない邦題がついてしまったのだ。

では、そもそもゼッポ・マルクスが、このエピソードでどう関係するのか……というと、何も語られない。ゼッポは、マルクス兄弟の末っ子で印象が薄い。つまりいてもいなくても同じ存在、役立たず、パシりのような意味でスラング表現として使われているのだ。

吹替えで観ると、その表現が、同じくスーパーマンやロイスのようにメインでないことから、たびたび存在意義を問われる「スーパーマン」シリーズのジミー・オルセンに例えられていることもあって、余計にタイトルの意味が理解できなくなっている。

このエピソードでは、ザンダーの役割が何かということを追及したものとなっている。バフィーやフェイスのようにスレイヤーではないし、ウィローのように魔法が使えたり、頭がいいわけでもない。オズも狼男、ジャイルズは知識が豊富……ならば、ザンダーは何の役割があるのだろうか。

映画やドラマなどのチーム編成の中で、一見足でまといのようなキャラクターがいたりするが、そういったキャラクターに対しても”ゼッポ”と言うことがあるのだ。

冒頭のシーンは、女悪魔団”ジェ”との戦いから始まる。ウィローが魔法で霧を作り、バフィーとフェイスが撃退したが、ザンダーは早々に跳ね飛ばされて、何の役にもたたなかったことに対して、ザンダーの役割について改めて考えなおすことになる。

サニーデール高校でもあまり目立つことができないが、不良のジャック(シャノン・ロー)にからまれてしまう。それを見ていたコーディリアは

ザンダーは、目立つために叔父からスポーツカーの57年型シボレー・ベルエアを借りて、気を引こうとする。バフィーたちには、あまり相手にされなかったが、町でカーマニアの女性トレース(ホイットニー・ディラン)に話かけられ、デートすることになる。

ブロンズでジャックに再び遭遇。ザンダーはナイフを突きつけられるが、そこに警官が現れる。警官に声をかけられるが、ザンダーはジャックに脅されたことを言わなかった。それがきっかけでジャックの信用を得たザンダーは、ジャックのある計画のために運転手をつせられることになってしまう。

ジャックは、死んだはずの友人ボブ、パーカー、ディッキーを墓から復活させる。ちなみにボブを演じているのは『ウォーキング・デッド』のエイブラハム役でお馴染みのマイケル・カドリッツだ。

ザンダーがジャックとゾンビたちの騒動に巻き込まれている間、ジェは地獄の口を開けようとしており、バフィーたちは世界の終わりの危機に直面していたのだ。緊迫感を増しており、バフィーとエンジェルは、生きるか死ぬかの瀬戸際で葛藤する。

しかし、今回のエピソードでは、ザンダーの視点がメインに描かれており、世界の終わるかもしれないという事態においても、ゾンビ騒動に巻き込まれる、ザンダーの立ち位置、その温度差を俯瞰でみせているのだ。

一方、地獄の口はついに開かれ、シーズン1の第12話「予言の少女」と同様に、ビオランテの触手のようなモンスターが再び現れる。

ジャックとゾンビたちは、高校のボイラー室に爆弾を仕掛けており、それを止めるためにザンダーも向かうが、ゾンビたちに襲われる。バフィーたちは、地獄の口のモンスターと対決中であることから、ひとりで対処することに。

なんとか爆発を阻止し、バフィーたちもモンスターを撃退する。ジャックは狼男になったオズに食い殺されてしまう。

結局、ザンダーが学校にいたことを知らないままのバフィーたち。その裏で学校が爆発する危機、ゾンビ騒ぎを解決したザンダーは、自分の役割は、表ではなく裏方だと認識することで、変な自信を得たのだった……。

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