THE映画紹介とは?
アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!
今回紹介するのは『クライモリ』
作品情報
アメリカ深南部の奥深い森。ジェシーら6人の学生たちは、一見穏やかな森の魅力に惹かれて奥深くに分け入り、いつしか恐怖スポットの境界を越えてしまう。地元の人間は絶対に近づこうとしないそんな場所にうっかり足を踏み入れてしまった彼女たちは…。
『クライモリ』基本情報
2003年製作/アメリカ・ドイツ合作/上映時間84分
原題:Wrong Turn
監督 : 『クライム アンド パニッシュメント』 ロブ・シュミット
脚本: 『ハロウィン4』『クライモリ(2020)』アラン・B・マッケルロイ
出演 :
『チアーズ!』『エントランス』エリーザ・ドゥシュク
『イン・ザ・ミックス』『ロシアン・ルーレット』エマニュエル・シュリーキー
『ネオン・デーモン』『サンキュー、ボーイズ』デズモンド・ハリントン
『クルーレス』『ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかた』ジェレミー・シスト
『ドーン・オブ・ザ・デッド』『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』リンディ・ブース
『ゴシップガール』『トランスアメリカ』ケヴィン・ゼガーズ
短評
2021年にリブート版が公開される『クライモリ』の記念すべき第1作にして、オリジナル版。
人里離れた田舎町や山奥で「何か」に遭遇し、襲われるというのは、『悪魔のいけにえ』や今作でも劇中でも言及される『サランドラ』といったホラーでは定番のプロットである。
それぞれの殺人鬼には、モデルとなった人物なんかが存在していたりもするのだが、基本的なものとしては、保守的な土地への恐怖というのを描くというのが趣旨であり、それは様々な形を変えて、近年でも『ミッドサマー』の様に現在も作り続けられている。
今作は『悪魔のいけにえ』をマイケル・ベイがリメイクした『テキサス・チェーンソー』と同年の2003年に公開された。
『テキサス・チェーンソー』のジェシカ・ビールと、今作のエリーザ・ドゥシュクが、恐怖の中でも立ち向かおうとする葛藤や、タンクトップ姿というシルエット、力強いヒロイン像が偶然にも被ってしまったことで、どうしても類似作品のように扱われてしまっている感じがしなくもないが、それも仕方がない。紛れもなく同系列の作品だからだ。
登場するマウンテンマンというミュータントからは、『サランドラ』オマージュも強く感じられるが、2006年には『サランドラ』自体も『ヒルズ・ハブ・アイズ』としてリメイクされたり、他にもホラー映画のリメイク・ラッシュというムーブメントの中で、どうしても印象が薄くなりがちな作品ではあるのだが、何気にビデオストレート作品なども含めると6作あるだけに、マウンテンマンというクリーチャーが全体的にざっくりとした設定だったこともあって、使いやすかったというのもあるだろう。
そういったこともあり、全ての作品が独自の路線や、製作当時のトレンドに乗った作品が多いように感じられる
今作が比較的小規模ながら劇場公開された背景としては、当時日本でも『24 -TWENTY FOUR-』で火が付いた、海外ドラマブームに乗って、エリーザ・ドゥシュク主演の『トゥルー・コーリング』がリリースされていたことが強かった。
当時エリーザは、『バフィー~恋する十字架』のスピンオフドラマ『フェイス』への主演オファーがあった。
ところが、役が固定されるのを嫌がり『トゥルー・コーリング』を選択した結果、打切りとなってしまったことは残念だったが、今作も脚本の段階では、エリーザの演じているキャラクターは、男性主人公に守られる弱い女性であった。作品自体を観てもわかるように、主人公はデズモント・ハリントンの方であるが、エリーザの熱演によって、次第に主人公が2人になるのが感じられるのだ。
エリーザがいかに女優としてストイックだったことがわかる一方で、分岐点に位置していた作品という点でも注目してもらいたい。
- ネットもSNSも遮断されたインドの全寮制女子高を舞台に、少女たちは”自分”とは何者なのかに葛藤する!!『女子高生は泣かない』
- 第96回アカデミー賞:映画評論家バフィー吉川の最終受賞予想!事実上『オッペンハイマー』のひとり勝ち状態か?!
- インド音楽界の歴史が動いた!22年ぶりのメジャーガールズユニット”W.i.S.H.”誕生!K-POPに次ぐ世界市場を狙う!!
- この映画語らせて!ズバッと評論!!『マダム・ウェブ』始まらないドラマのプロローグを観ているような感覚になるが、若手女優たちが唯一の救い!!
- 【ちょこっとレビュー】地域復興ムービーとして応援したい気持ちを裏切るほど中途半端な主人公像『レディ加賀』
コメントを書く