作品情報
温かい家庭と飼い猫に囲まれ、楽しく暮らす少女ラモーナ。いつも活発で想像力が豊かな彼女は奇抜な言動が多く、しっかり者の姉ビーザスや学校の先生にたびたび怒られてばかり。そんなある日、父親が失業する憂き目に遭ってしまう。そこで、ラモーナは家族のために自ら稼ぐことを思いつく。だがやはり、その突飛な行動の数々が周囲の誤解を招き、厄介者扱いされていると思ったラモーナはある決断をするのだが…。
監督・脚本・出演
監督:『愛しのアクアマリン』エリザベス・アレン
脚本:ニック・パスティ、ローリー・グレイグ
出演:
『冷たい嘘』『キスから始まるものがたり2』のジョーイ・キング
『デッド・ドント・ダイ』『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』のセレーナ・ゴメス
『ズートピア』『そんな彼なら捨てちゃえば?』ジニファー・グッドウィン
『コヨーテ・アグリー』『リクルート』ブリジット・モイナハン
『トランスフォーマー』『みんな私に恋をする』ジョシュ・デュアメル
『ビーン』『プリティ・プリンセス』サンドラ・オー
発掘!未公開映画研究所とは?
宗教性の問題、出演者の知名度、お笑いの感覚の違い…などなどの理由によって、日本では公開にいたらない作品が多く存在する。アカデミー賞にノミネートされている作品でも未公開作品は多い。
それもそうだろう、逆にアメリカやフランスで日本の映画が何でも公開されていると言えばそんなわけもなく、全体的に見て1割にも満たないだろう。
日本はそんな中でも割と海外の作品を公開している珍しい国であって、そんな中でもやっぱり公開されない映画というのは山のように存在する。
「発掘!未公開映画研究所」はそんな映画を発掘していくというもので、その中でも更に知名度が低いものを扱っていくつもりだが、必ずしも良作ばかりではない、中には内容がひど過ぎて公開できなかったものもあるのでご注意を!!
今回紹介するのは『ラモーナのおきて』
短評
『マルモのおきて』にちなんで名づけられた邦題ではあるが、別に犬がしゃべるわけではない。単にリリース時期が放送当時話題になっていたため、便乗しただけである。
日本でも翻訳版が多く出版されている児童小説家ビバリー・クリアリーの「ヘンリーくん」シリーズのスピンオフ的な作品「ビーザスといたずらラモーナ」を映画化したもので、「ヘンリーくん」シリーズは日本でも『わんぱく天使』というタイトルでドラマ化されているが、シリーズとしては初の映画化作品となる。ちなみに今作にもヘンリーは登場するが、ほとんど存在感がない。
今となっては、役のためならスキンヘッドにもしてしまう人気若手女優ジョーイ・キングの初主演作品でもある今作。 それと同時に劇中歌「Ramona Blue」で歌手デビューも果たしている。
当時ジョーイは11歳で破壊的に可愛らしい表情で演技する姿からは風格さえ漂っていて、自分の可愛らしさを表現する最善の方法を知っているようだ。さすが7歳の頃から演技をしているだけのことはある。
今作は未公開作品ながら、ジョーイ・キングを語るうえでは、外せない作品である。
銀行にローンを組んで家の増築工事の最中に父親が失業したことによって、銀行に家がとられてしまうかもしれないという、経済的不安を子供の視点から描いている。
なんとかお金を稼いで両親の力になりたいと、奮闘しながらも失敗の連続ではあるが成長していくという、キッズムービーならではの王道展開。原作が児童小説ということもあり、時代的背景をアップデートしたり、設定をいくらか変えてもなじむ物語である。
何度かハートフルなシーンもあったりはするが、落ち着くところに落ち着く展開で、想像を超えてくるような大きな展開は正直言ってない。しかし、絶妙な安定感と安心して子供が観られるお下品ネタNGのコメディ作品といっても良いだろう。ラモーナの空想シーンの演出も可愛らしい。
何より悪いキャラクターが誰もいないというのも安心ポイントだ。
ジョーイ・キングはもちろん、姉役のセレーナ・ゴメス、叔母役のジニファー・グッドウィンさえも女性陣の演技が全体的に可愛らしい作品でもある。
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