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発掘!未公開映画研究所『パーティー・ナイトはダンステリア』80年代設定にする必要性がここまで感じられない作品も珍しい!!

発掘!未公開映画研究所『パーティー・ナイトはダンステリア』80年代設定にする必要性がここまで感じられない作品も珍しい!!

作品情報

80年代を代表する楽曲満載で贈る青春ラブコメディ。マサチューセッツ工科大学を卒業したものの、今はレンタルビデオ屋で働くマット。ある日、姉の婚約者主催のパーティーで高校時代に憧れていたトリーと再会した彼は、つい見栄を張ってしまい…。監督は『フランキー・ワイルドの素晴らしき世界』のマイケル・ドース 、主演・原案として『スパイダーマン3』『ブラック・クランズマン』のトファー・グレイスが参加し、アンナ・ファリス、ダン・フォグラー、クリス・プラットなどが脇を固める。

監督・脚本・出演

監督:『フランキー・ワイルドの素晴らしき世界』マイケル・ドース

脚本: ジャッキー・フィルゴ、ジェフ・フィルゴ

出演:

『スパイダーマン3』『アンダー・ザ・シルバーレイク』トファー・グレイス

『ウォーム・ボディーズ』『明日、君がいない』テリサ・パーマー

『オーバーボード』『キューティ・バニー』アンナ・ファリス

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『ジェム&ホログラムス』クリス・プラット

『ウォーキング・デッド』『燃えよ!ピンポン』ダン・フォグラー

『アイス・プリンセス』『ユーロトリップ』ミシェル・トラクテンバーグ

発掘!未公開映画研究所とは?

宗教性の問題、出演者の知名度、お笑いの感覚の違い…などなどの理由によって、日本では公開にいたらない作品が多く存在する。アカデミー賞にノミネートされている作品でも未公開作品は多い。

それもそうだろう、逆にアメリカやフランスで日本の映画が何でも公開されていると言えばそんなわけもなく、全体的に見て1割にも満たないだろう。

日本はそんな中でも割と海外の作品を公開している珍しい国であって、そんな中でもやっぱり公開されない映画というのは山のように存在する。

「発掘!未公開映画研究所」はそんな映画を発掘していくというもので、その中でも更に知名度が低いものを扱っていくつもりだが、必ずしも良作ばかりではない、中には内容がひど過ぎて公開できなかったものもあるのでご注意を!!

今回紹介するのは『パーティー・ナイトはダンステリア』

短評

マサチューセッツ工科大学を卒業したものの、何者にもなれていないでビデオレンタル店でバイト中の青年が、偶然、学生時代に好きだったのに声をかけられなかった人気者のトリに再会したことから、流れで同窓会的パーティに、ゴールドマンサックスの社員と見栄を張って参加することになるという、よくありがちな嘘から始まる恋愛映画とえばそうなのだが、舞台設定が何故か80年代。

80年代のヒット曲がアクセントとして使用されているのだが、ふんだんに使用されているかというと、そうでもない。

ストーリーも平凡であり、製作サイドが80年代に10代~20代だった人が多いのかもしれないが、ここまで80年代である必要性のない作品というのも珍しい。現代で何の支障もない気がする

主演でもあるトファー・グレイスの原案でもあるということで、トファーの実体験かと思いきや、80年代はまだローティーンだったこともあって、実体験でもない。

ゴールドマンサックスや金融業界が頂点のようであったバブル時代への皮肉という捉え方が無理矢理なら、できなくはないが…それでも社会風刺としては弱い。

何者にもなれない者の葛藤を描いているというのは伝わってくるが、着地点としては、なかなかフンワリして、メッセージ性も薄い。

ビデオ店でバイトしているという設定から、映画オタクなのかと思えば、映画ネタが全くなく、外観から細かい設定まで、何から何までが不必要に80年代を強調していてる。

まだ潔く、現代を舞台にした、定期的に製作される、ありがちなティーン・ムービーにした方がよかったのではないだろうか。

ミシェル・トラクテンバーグやテリサ・パーマーといった、2000年代女優達の80年代ファッション・コスプレ映画として観るのならいいかもしれないが、終始80年代にした意味を無駄に考えないではいられないというモヤモヤした映画である。

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