ラジオ番組「バフィーの映画な話」Spotifyなどで毎週配信中!!
この映画語らせて!ズバッと評論『クレイジー・リッチ!』

作品情報

シンガポールを舞台に不動産王の御曹司である恋人と、彼の裕福な一族との間で揺れながら本当の幸せを探す独身女性の葛藤を、アジア系キャストをメインに描いたハリウッド製ラブコメディ。監督は『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』『G.I.ジョー バック2リベンジ』のジョン・M・チュウ。ニューヨークで働くレイチェルは、親友の結婚式に出席する恋人のニックとともにシンガポールへと向かった。初めてのアジア旅行への期待と、初めてニックの家族会うことの緊張感を感じていたレイチェルが出発当日の空港で案内されたのはファーストクラス。ニックはシンガポールの不動産王の超有名一族の御曹司で、社交界の女性たちから熱い注目を集める人気の独身男だったのだ。ニックの恋人としてシンガポールの地に降り立ったレイチェルに、2人の交際をよく思っていないニックの母や家族親戚一同、さらには元カノとの対立と、レイチェルは苦境に立たされてしまう。出演はコンスタンス・ウー、『シンプル・フェイバー』『ラスト・クリスマス』のヘンリー・ゴールディング、『レイン・オブ・アサシン』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーリミックス』のミシェル・ヨー、『ラ・ラ・ランド』『ハートビート』のソノヤ・ミズノ、『キャプテン・マーベル』『トランスフォーマー 最後の騎士王』のジェンマ・チェン、『オーシャンズ8』『ネイバース2』のオークワフィナ、『ザ・マペッツ』のケン・チョンなど

『クレイジー・リッチ!』レビュー

アジア映画ではない、ハリウッド映画!

1993年の映画『ジェイ・ラック・クラブ』以降、実に25年振りのオール・アジア人キャストによるハリウッド映画。間違えてはならない、アジア映画ではないということを!正真正銘のハリウッド映画!!

カンフーでもバディームービーでもなく、シンデレラ・ストーリー。ここに注目!!

つまり、アジア人であることを全面的に売りにした作品ではなく、単純に映画の内容で攻めていて、おまけとして全員アジア人なんですよと言う映画ということ。

イ・ビョンホンや渡辺謙などアジア系の俳優は今や映画やドラマの中に一人はキャスティングされているぐらいメジャーなものとはなったが、主演やメインキャストとなると、また別の話というのがハリウッドの現状でありながら、実はハリウッドを牛耳っているのは中国マネーということで、アジア系俳優の位置関係がなかなかややこしい状態の中、オールアジア人キャスト映画を市場にぶつけることで「人種は関係ない!アジア人だろが何人だろうが作品と演技で評価して!」っていうメッセージを感じた。

メディアの取り上げ方としては、どうしてもオールアジア人キャストということが先行してしまうが、この映画の見所は全体的にカラフルで色彩感が実に豊であり、自然にアジアンテイストがオシャレだということを嫌味に感じさせず主張しているところだ。

映画として評価できる点があったからこそ、入りとしてはオールアジア人キャストという話題性によるのであっても、最終的には1本の映画として評価され、ゴールデングローブ賞も受賞できたのではないだろうか。

今後の活躍が期待されるアジア系俳優大図鑑

現在、ハリウッドマネーがハリウッドや映画業界を騒がせている。

それは、中国資本で製作される大作映画が増えてきたため、アジア人俳優の見せ場を入れなくてはならないという暗黙の了解があるのだ。

しかし、それは中国側から見た視点による俳優のもの、つまり現在において中国で活躍している俳優を世界に出したいという狙いがある。

そのため、アメリカ在住のアジア系俳優はそれには当てはまらないということだ。ハリウッド映画の中でアジア人が多くなったと言っても、キャスティング枠のフィールドが違っているという現実は、逆にもともとアメリカでテレビドラマやテレビ映画で基盤を築いてきている俳優にとっては「また中国資本なんでしょ」なんて思われるという、とばっちりを受けることもある。

そんな複雑な位置にいるアジア系俳優が実は多く、この映画はそんな実力で勝ち上がってきたアジア系俳優が勢ぞろいということ。

時代がいくらグローバル化されて、状況がいくら変わっても、アメリカというフィールドである以上、アジア系俳優の居場所は限られていることだ。この映画は今アメリカの映像業界の中で中国資本のコネではなく、正に活躍する最前線アジア系俳優大図鑑映画と言ってもいいのだ。

今後の活躍が期待される俳優

ソノヤ・ミズノ

『ラ・ラ・ランド』や『美女と野獣』『ハートビート』などで顔を見せており、主人公の親友や友達役が多いが、最近では『ラ・ラ・ランド』で共演したエマ・ストーン主演のテレビミニシリーズ『マニアック』にはレギュラー出演を果たした。

オークワフィナ

DJとしても活躍する小柄なミュージシャン兼女優。2014年からスタートしたトークショー番組『Tawk』ではパーソナリティーを務める。

映画『オーシャンズ8』ではサンドラ・ブロックやリアーナ、ケイト・ブランシェットという大物の中にメンバーとして扱われた。

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』の続編にも出演が決定している。

ジェンマ・チャン

『ヒューマンズ』や『ブラザーフッド』などテレビドラマシリーズをメインに活躍。並行してチョウ・ユンファと渡辺謙が共演した映画『上海』や『トランスフォーマー 最後の騎士王』などの話題作にも出演。

MCUの最新作『キャプテン・マーベル』にも出演している

この映画語らせて!ズバッと評論!!カテゴリの最新記事