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この映画語らせて!ズバッと評論!!『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』初めて描かれる墓場鬼太郎の前日譚!鬼太郎マイナスワン!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』初めて描かれる墓場鬼太郎の前日譚!鬼太郎マイナスワン!!

作品情報

廃墟となっているかつての哭倉村に足を踏み入れた鬼太郎と目玉おやじ。 目玉おやじは、70年前にこの村で起こった出来事を想い出していた。 あの男との出会い、そして二人が立ち向かった運命について… 昭和31年―日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた哭倉村。 帝国血液銀行に勤める水木は当主・時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れた。 龍賀一族では、時貞の跡継ぎについて醜い争いが始まっていた。 そんな中、村の神社にて一族の一人が惨殺される。 それは恐ろしい怪奇の連鎖の始まりだった。 鬼太郎の父たちの出会いと運命、圧倒的絶望の中で二人が見たものはー

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』レビュー

「ゲゲゲの鬼太郎」というと、1作目のモノクロ版や続編となる第2シリーズまでは怪奇色が強く、社会風刺の効いた作品だったものが、年代を増すごとに社会風刺色というものが薄れ、バトルアニメ色の方が強くなっていた。番外編として制作された「墓場鬼太郎」はアニメシリーズとはトーンが違いすぎることから別ものとして深夜に放送されていたりもした。

今回はそんな第6シリーズを基盤として、鬼太郎の誕生を描くということで期待は全くしておらず、かなり丸くなったものを見せられるのかと思っていたし、冒頭でも第6シリーズの長身化された猫姉さんこと猫娘やキャラクターのタッチが不安をかきたてるものの、しっかりと大人向けテイストにされていた。

つまり子どもたちを呼び込む口実としているのかと思ったが、子どもを観ることを目的とした作品として制作されていない。それであれば、そもそも第6シリーズをベースにすることはなかったのではないだろうか。

ちなみに白髪(銀髪?)時代の鬼太郎の父は第6シーズンでも1度だけ登場しており、その際にはかなり美形なキャラクターとして描かれていた。それもあったのだから、ますます第6シリーズをベースにする意味がわからないのだ。

PTSDや経済復興の闇など、戦後の日本が抱えていたものを上手く妖怪の世界と絡めることで、社会風刺の効いたファン待望の水木作品といったものとなっている。

観る前は、時系列的がおかしいと感じる部分があることから、リイマジン的な物語かと思いきや、多少強引な部分もあるが「墓場鬼太郎」の1話に繋がるように上手く調整されている鬼太郎マイナスワン的作品だ。

一方、鬼太郎とは『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝 魔笛エロイムエッサイム』でも共演経験のある悪魔くんの新作もNetflixで配信開始されている。実はこちらも社会風刺の効いた作品となっている。それでいて完全に子供向けのデフォルメアニメとされていた90年代シリーズの続編ともなっていて、原作版とアニメ版の中間をいく作品ともいえる。

点数 80

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