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この映画語らせて!ズバッと評論!!『シンプル・フェイバー』サスペンスの中に仕込まれたコメディ要素が独特の雰囲気を演出!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『シンプル・フェイバー』サスペンスの中に仕込まれたコメディ要素が独特の雰囲気を演出!!

作品情報

ピッチ・パーフェクト』『ウィエディング・テーブル』のアナ・ケンドリックと『グリーン・ランタン』『ロスト・バケーション』のブレイク・ライブリーという人気女優が共演し、ダーシー・ベルのサスペンスミステリー小説「ささやかな頼み」を映画化。突如失踪した女性の行方を追ううちに、うごめく嫉妬や羨望、女の友情と利害、秘密と過去などが徐々に浮かび上がっていく様を描く。監督は『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』『ゴーストバスターズ』のポール・フェイグ。ニューヨーク郊外に住むシングルマザーのステファニーは、同じクラスに息子を通わせるエミリーと親しくなる。事故で夫を失い、保険金を切り崩しながら子育てをしている気立ての良いステファニーと、スランプに陥っている作家の夫との仲もむつまじく、華やかなファッション業界で働くどこかミステリアスなエミリー。2人は何もかも対照的だったが、お互いの秘密を打ち解けあうほど親密になっていく。そんなある日、エミリーが突然失踪してしまい、ステファニーは彼女の行方を追うが……。 共演には『グリーンブック』『ラ・ヨローナ~泣く女~』のリンダ・カーデリーニ、『小鹿物語』『ミストレス』のジーン・スマート、『クレイジー・リッチ』『ラスト・クリスマス』のヘンリー・ゴールディングなど。

『シンプル・フェイバー』レビュー

ミステリー?ガールズ・コメディ?そこらのミステリーとはノリが何か違う!!?

子供がきっかけで、夫の保険金で暮らしながら映像配信ブログで料理や自分の身の回りのことを紹介しているステファニーと一流ファッション業界で働くエイミーとママ友になり、お酒とお洒落な家に招待されたことで、互いの秘密を語り合う友達になったはずだったが…エイミーが突然、失踪!!

プロットや予告、チラシなんかを見ても完全ミステリー映画だと思うのだが、少し違うのが、ガールズコメディのノリが入っていること。

コメディ映画の印象が強いアナ・ケンドリックが主演だから、余計にそう思わせる部分もあるのかもしれないが、ステファニーのセリフや立ち振る舞いが妙におっちょこちょいだったり、空気読めない発言がどうもコメディ映画に見えてしまう。

監督は狙ったのか?この化学反応を!!

どうしてコメディに感じてしまうかというシーンをいくつか紹介すると例えば、エイミーの失踪の謎を探るため、彼女の職場に忍び込むシーンなんてロマコメによくありがちなドタバタシーンに仕上がっているし、エイミーのお洒落な服を着てみたら、たまたま警察がやって来て、その姿のまま対応するも最終的に服が脱げなくなってハサミで切る(予告では何か衝動的になっているシーンに見えるが実は完全にコメディシーン)などなど…扱っている内容は、謎の多いエイミーの正体を周りの人物(周りのキャラクターもクセありすぎ)を辿りながら見つけ出して行くという、どうも監督が2016年の女性版『ゴーストバスターズ』のポール・フェイグというコメディ畑の人というのが影響しているのか、ノリがミステリーではないのだけど、内容自体は愛憎劇もあったりしている、しっかりミステリー。コメディとミステリーの間で凄くおもしろい化学反応をもたらしている作品。

『ファーゴ』『ノーカントリー』のコーエン兄弟や『ロブスター』『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス、『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナーなんかも、シリアスな中にコメディの味を残すという作風のものが多いが、この作品はそれとはまた少し違っている。だから個人的にかなり複雑な気分にさせられた作品。だからと言って悪いという意味ではない。

結末も完全にミステリー寄りなのに、処理の仕方がコメディ!!

ミステリーとコメディの2層構造映画の新境地ではないだろうか。ドラマで言うと『デスパレートな妻たち』『デビアスなメイドたち』が好きな人にはオススメ!!

ただ、本格ミステリーが好みという人は苦手な作品かもしれない。

アナ・ケンドリックの演技が素晴らしい

『ゴシップ・ガール』でも話題になった、ブレイク・ライブリーのスタイリッシュでお洒落なファッションが目を惹く作品ではあるが、アナ・ケンドリックの演技の切り替えに注目してもらいたい。

実はアナ・ケンドリックが演じるステファニーも夫の保険金で暮らしているという、何だかワケありそうなキャラクター。外やブログの中では張り付いたような笑顔が印象的だが打ち解けたときやコメディシーンになるとスッと表情を切り替えるのが自然で違和感がないのが素晴らしい。

知ってるこの人?この俳優?

ステファニーに皮肉っぽいことを言ってきたりする、ゲイっぽいダレン役として登場し、最後には意外にも大きな役割を果たすこの人、アンドリュー・レイノルズ!!

実は舞台『ヘアスプレー』や『ジャージー・ボーイズ』にも出演し、『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』ではヘドウィグ役を演じ、2011年に出演した『ブック・オブ・モルモン』のアルバムはグラミー賞を受賞した、ベテランミュージカル俳優!!

超サブキャラで完全にコメディ・パート担当なんだけど、強烈な存在感を残す。

点数 82点

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