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この映画語らせて!ズバッと評論!!『英国ロイヤル・バレエ:ロミオとジュリエット』古典中の古典をケネス・マクミランの振付けでどこまでスリリングかつ官能的に描けるか?!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『英国ロイヤル・バレエ:ロミオとジュリエット』古典中の古典をケネス・マクミランの振付けでどこまでスリリングかつ官能的に描けるか?!

作品情報

キャピュレット家のジュリエットとモンタギュー家のロミオは情熱的な恋に落ちるが、二つの家は対立している。ひそかに結婚する二人だが、運命のいたずらによりロミオはジュリエットの従兄弟ティボルトと決闘し、彼を殺してしまう。ロミオは罰としてヴェローナから追放される。ジュリエットは両親によってパリスとの結婚を強いられるが、それを逃れるために毒薬を飲んで仮死状態となって、ロミオの元に行く計画を立てる。だが彼女のメッセージはロミオには届かず、ジュリエットの死の知らせを聞いて戻ってきたロミオはキャピュレット家の墓所で命を絶つ。仮死状態から目覚めたジュリエットはロミオの亡骸を発見し、胸を刺して後を追う……。

『英国ロイヤル・バレエ:ロミオとジュリエット』レビュー

「メショナル・シアター」や「MET」「松竹ブロードウェイシネマ」といったオペラやミュージカルは何度か観たことがあったものの、英国ロイヤル・バレエのライブビューイングは初めての体験だった。

今回は試写室で観たが、やはりいつもの客層とは違っているように感じられる。別に顔を知っているわけではないから、完全な偏見でしかないのかもしれないが、映画評論家も映画ライターはあまりいない感じがした。

個人的には、観る作品を好き嫌いで判断することはないし、今作は一見、劇映画とは関係してこないようにも感じられるが、例えば映画版『キャッツ』や5月に公開されるドキュメンタリー映画『オードリー・ヘプバーン』に出演しているフランチェスカ・ヘイワードは、ロイヤル・バレエダンサーであったり、他にもミュージカル映画のバックダンサーには、バレエダンサーが参加していることもあって、全く切り離されているものではない。劇映画をより深く楽しめる要因として、知識に入れることができる。

ジュリエットを演じているアナ=ローズ・オサリバンも、イギリスではトップ中のトップのバレエダンサーであり、今後劇映画で観ることもあるかもしれない。

さかすがに高いチケット代を払ってまでは無理……という層にとっては、非常に有難い機会とも思えるのだ。

確かにバレエ劇というと、上流階級の富裕層が楽しむような、仕切りの高いイメージではあるし、実際にそういた側面もあるかもしれないが、『くるみ割り人形』や『椿姫』、今回の『ロミオとジュリエット』は、誰もが知るような、定番ストーリーであるため、かなり初心者の入り口としては優しいラインナップとなっている。

約3時間あるものの、間に休憩が入るため、『THE BATMAN-ザ・バットマン―』のように続けて3時間上映される作品と比べても良心的。

またスタッフのインタビューや、バックステージなども盛り込まれており、ただ舞台を観るのではなく、楽しみ所も解説してくれているのだ。

多少の解釈の違いはあるが、大まかなストーリーがわかっている分、セリフの代わりに、どうやって踊りで表現するのかといった、身体表現の本質、ケネス・マクミランの振付け自体を楽しむことができる。

このシーンをどうやってダンスだけで表現するのか、このシーンは、あのシーンは……と思いはじめてしまったら、もはや思うつぼで、バレエ劇の沼にはまってしまう。

全体的に暗い舞台、数々のクラシックな音楽に包まれながら、しなやかなダンスが眠気を誘うこともあって、集中力は必要となってくるのは事実。その点でも仕切りが高いのかもしれない……。

点数 80

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