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この映画語らせて!ズバッと評論!!『キラーカブトガニ』おバカでチープだけど、ひとつひとつのエピソードにはセンスを感じられる!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『キラーカブトガニ』おバカでチープだけど、ひとつひとつのエピソードにはセンスを感じられる!!

作品情報

廃炉となった原発が爆破処理されたカリフォルニアのある海辺の町で、 謎の行方不明事件が続発し、白骨と化した人間たちが発見される。 保安官は当初、人喰いザメの出現を疑うが、被害者たちを食べたのは サメではなくカブトガニ、それも放射能の影響で凶暴化し、さらに巨大化した カブトガニの群れだった…。 やがて一匹の殺人カブトガニがゴジラ級に巨大化し、 町は壊滅の危機に陥るが……。

『キラーカブトガニ』レビュー

『食人雪男』(2020)や『ドーン・オブ・ザ・ビースト/魔獣の森』(2020)など地雷みたいな海外映画を配給してくるエクストリームも、たまに『PITY ある不幸な男』(2018)や『奇蹟の人/ホセ・アリゴー』(2022)のような当たり作品を見つけてくるのだが……今作はどちらかというと当たりだ。

「仮面ライダー」や「人造人間キカイダー」などの日本特撮番組には、カブトガニの怪人は何人かいるし、おそらくモデルになっているでろうクリーチャーはいるような気もするが、ここまでストレートにカブトガニをモンスター化した作品は、世界的にみてもあまりなかったのではないだろうか。

ロジャー・コーマンやトロマ作品、アサイラム作品のようなテイストのおバカ映画かと思うかもしれないが、実は『グレムリン』(1984)などのアドベンチャーやティーン向けホラーのオーソドックスなプロットを下敷きともしている。

インディーズ作品だからこそのチープ感が邪魔をしてくるものの、内容的には意外にも筋の通ったものとなっている。かと思えば、最終的には、やっぱりおバカ映画して着地しているのが逆に安心できるという、とても複雑な気持ちにさせられる作品だ。

今作が長編監督デビュー作となるピアース・ベロルゼイマー 。全体的にはおバカだとしても、ひとつひとつのエピソードとしては悪くないセンスの持主でもあることから、トロマ出身者で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)のジェームズ・ガンや「サウスパーク」のトレイ・パーカーのように、将来的に化ける逸材かもしれない……。

点数 75

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