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発掘!未公開映画研究所『プッシーキャッツ』当事者MTVが2000年代の消費されるポップアイドルグループ事情を強烈風刺!!

作品情報

ジョシー、メロディ、ヴァレリーの仲良し3人組で結成されたガールズ・バンド”The Pussycats”は街のイベント等に出る位しか出番のないアマチュアバンド。しかし、ふとしたことからレコード会社のプロデューサーであるワイアット(悪役だが、プロデューサーとしての実力は確かな物がある)の目に留まり、CDデビュー。瞬く間に全米チャート1位を獲得してトップ・スターとなる。しかし、メガ・レコードの社長フィオナは、バンドを発掘してはその曲にサブリミナル効果を取り入れ、新商品を買うようにティーンエイジャーを操作していたのだった。そして、その秘密に近づいたり、疑問を感じたバンドは容赦なく切り捨てられ、事故を装って抹殺されていた。主演は『シーズ・オール・ザット』『記憶の旅人』のレイチェル・リー・クック、『アメリカン・パイ』『ルール』のタラ・リード、『シン・シティ』『クラークス2』のロザリオ・ドーソン、共演には『X-MEN2』『バーレスク』のアラン・カミング、『みんなのうた』『ブレイド3』のパーカー・ポージ、『ギャラクシー・クエスト』『ゴーン・ガール』のミッシー・パイルなどが顔をそろえる

映画『プッシーキャッツ』を紹介!これを知っていればより楽しく観れる!!

全米トップ10入りを果たすも日本では公開されず

今だったら即DVDスルーだが、当時はアメリカのティーン向け映画の絶頂期でもあったのとレイチェル・リー・クックがプチブレイク中、音楽も素晴らしい、しかも原作は日本でも放送されていた『チキチキマシーン猛レース』『スクービー・ドゥー』で知られるハンナ・バーベラの人気アニメ『ドラドラ子猫とチャカチャカ娘』ということもあり、全然劇場公開GOサインが出てもおかしくなかっただけに、この作品がDVDスルーになったということを聞いたときは大変ショックだったことを個人的に思いだす。

当時はレイチェル・リー・クックのファンで彼女の作品はインデペンデント系や小規模作品に多く出演していたため、日本では未公開作品が非常に多く、個人でDVDを輸入して観ていた。

今みたいにAmazonで簡単に輸入DVDが帰る時代ではなく、決済システムも進んでいなかったため、小切手をアメリカに送って買うという超難易度の高い購入方法で手に入れていた。

実はこの作品も日本でDVD化が決まる前から持っていて、セリフを暗記するぐらい何回も観ていた。レイチェルのファンということは前提ではあったが、この作品はとても中毒性が強く、何度観ても飽きない!!

この映画は2000年代に劇場で観るべき映画であったと思う。

アメリカン・ポップ業界を皮肉っている

単に音楽がいいティーン・ムービーだと思ったら大間違い!!

実は当時のアメリカン・ポップ業界の闇の部分を皮肉っている作品。

↑の2000年代のティーン・ムービーではおなじみのセス・グリーンとブレッキン・メイヤーらによる”デジュー”もリスペクトしてるのやらバカにしているのやら…

この映画が公開された当時正にアメリカン・ポップの全盛期でプリトニー・スピアーズ、クリステイーナ・アギレラ、バックストリート・ボーイズ、インシンクなどなど日本にも多くのアーティストが来日していた。

単に曲の良し悪しではなく、ビジュアル・セールスが激化していたのもこの時期はピークであり、曲と同時にいかにアーティストのグッズを売るかということでアーティストの生き残りも左右されていたのだ。そんなカオス化されつつあったアメリカン・ポップ業界をコメディでありながらシニカルに切り込んでいて、実は社会派な作品なのだ。

アニメの映画化というよりは設定を現代の現代の音楽業界に置き換えた、立派なガールズムービーと言ってもいいだろう。

音楽がサントラとは思えないクオリティ

この映画の曲を聴いて「レイチェルって歌上手い」って思った人が相当いるらしが、残念ながらレイチェルの歌部分は吹替えされている。

レターズ・トゥ・クレオの元ヴォーカル、ケイ・ハンレーがレイチェルの歌を吹替えしていて、大物音楽プロデューサーで作品にもカメオ出演しているベイビーフェイスが曲を担当しているからクオリティが半端なく高く、メインでないデジューの楽曲ですら名曲と言わずにはいられない。

サントラ盤というより本格アーティストの単独アルバムの様。今でも手に入りやすいから、作品を観たら購入することをオススメする!!

この人知ってる?ジャスティン・チャットウィン

冒頭のデジュー登場シーンに顔を見せるちょっと危なそうなファン役のこの人…のちに迷作『ドラゴンボール・エボリューション』のゴクウ役を演じるその人なのだ。

登場シーンは1分あるかないかだが、何だか只ならぬ雰囲気を醸し出している!!

迷作『ドラゴンボール・エボリューション』はいつか改めて紹介したいと思う。

ドラマでもプッシーキャッツ

Netflixで配信中の『リバーデイル』はこの『プッシーキャッツ』のスピンオフ元の『アーチーズ』をドラマ化したもの。そしてプッシーキャッツの存在もガッツリ関わってくる。

このドラマの中ではジョシーは黒人の設定になっているがドラマの中でもプッシーキャッツが歌うシーンは比較的多く盛り込まれているがドラマ版はポップ&ロックというよりかはポップ&メロウな感じで、ドラマ版はドラマ版で一味違うプッシーキャッツを見ることができる。

ちなみに『リバーデイル』をよりガーリーにしたスピンオフ『ケイティ・キーン』にもジョシーの参加が決定してプッシーキャッツの世界観が広がりつつある。

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