作品情報
事実に基づいた物語。エクアドルでの罪のない休暇がサンドラ・チェイス(バーバラ・ハーシー)にとって一転、悪夢となった。チェイスは身に覚えのない麻薬密輸容疑で投獄される。しかし娘タミーは、あらゆる困難をものともせず、母の釈放を求めて奮闘するのだ。 主演は『シーズ・オール・ザット』『プッシーキャッツ』のレイチェル・リー・クック
発掘!未公開映画研究所とは?
宗教性の問題、出演者の知名度、お笑いの感覚の違い…などなどの理由によって、日本では公開にいたらない作品が多く存在する。アカデミー賞にノミネートされている作品でも未公開作品は多い。
それもそうだろう、逆にアメリカやフランスで日本の映画が何でも公開されていると言えばそんなわけもなく、全体的に見て1割にも満たないだろう。
日本はそんな中でも割と海外の作品を公開している珍しい国であって、そんな中でもやっぱり公開されない映画というのは山のように存在する。
「発掘!未公開映画研究所」はそんな映画を発掘していくというもので、その中でも更に知名度が低いものを扱っていくつもりだが、必ずしも良作ばかりではない、中には内容がひど過ぎて公開できなかったものもあるのでご注意を!!
今回紹介するのは『レフト・トゥ・ダイ 悪夢のバカンス』
短評
AmazonプライムビデオやiTunesなど一部の動画配信サービスの有料枠で観ることができる作品であるが、今作はテレビ映画である。
近年、日本ではリリースされていないが、『Valentine in the Vineyard』『Frozen in Love』などといった、単発メロテレビ映画の常連となっているレイチェル・リー・クックが2012年に出演した作品。
レイチェル・リー・クックは、日本でもプチブレイクになったほど、一時期は美少女女優として話題となっていたが、彼女の女優業に対するスタンスとしては、演技の仕事もしたいが、家族との時間も大切にしたいというものだった。
プチブレイク中には、娯楽大作のオファーもあったのだが、比較的インデペンデント系作品に多く出演するようになり、今ではテレビの仕事がメインとなっている。
レイチェルと母の関係も良好であり、『スパイダーマン2』のダニエル・ギリーズとは、2019年に離婚してしまったが、2人の子供も授かり、彼女自身も母となり、家族愛、とくに母との絆を表現する演技という点では更に磨きがかかっていると言ってもいいのだ。
今作で扱っている内容は日本の報道やバラエティ番組などでも取上げられていたほど、当時に問題となっていた、密輸の方法や、危険を感じた運び屋がとっさに捨てる方法として、一般人の荷物に麻薬が入れられてしまうという事件が多発していたこともあり、それによって誤認逮捕され、拘留されてしまい、今作の舞台はエクアドルではあるが、マレーシアでは死刑になってしまうこともある。
日本人女性が6年拘留ののちに、死刑になったというショッキングな出来事も世間を震わせた。
それほど麻薬問題に厳しく対処するからこそ、冤罪も生まれてしまうという負のサイクルに巻き込まれた母を助けるために立ち上がる娘との絆を描いた社会派な作品である。
母親には、健康上に問題があり、直ちに治療をしないと命の危険もあるという状況から、スリリングな展開になるかと思いきや、さすがテレビ映画というだけのことはあって、予算はそれほどないために単調なシーンが続く。
所々に弟のダメダメ人生シーンが盛り込まれていて、不必要に感じるし、実際に不必要な要素ではあるのだが、その中でも描かれるべき要点はとられていて、しっかりと考えさせられる内容に仕上がっている。
実話がベースとなっていて、ラストには実際の母と娘の再会シーンがあるのだが、この不運な出来事は、言ってみれば誰にでも起こりえることであるから恐ろしいのだ
レイチェル・リー・クック出演作6選
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