作品情報
実在するイランのダンサー、アフシン・ガファリアンの伝記映画。2009年の大統領選挙戦下のイランを舞台にアフシンと仲間たちで設立したダンスパフォーマンス会社「アンダーグラウンド・カンパニー」に『スラムドッグ・ミリオネア』のフリーダ・ピント演じるエラが参加してくるところから物語は展開されていく。アフシンたちは、マイケル・ジャクソン、ジーン・ケリー、ルドルフ・ヌレエフといった様々なダンススタイルをビデオを観て独自で学び、他では見たことのない様なダンスを開発する中で、アフシンとエラの関係も接近していくことになる。 監督はリチャード・レイモンド
発掘!未公開映画研究所とは?
宗教性の問題、出演者の知名度、お笑いの感覚の違い…などなどの理由によって、日本では公開にいたらない作品が多く存在する。アカデミー賞にノミネートされている作品でも未公開作品は多い。
それもそうだろう、逆にアメリカやフランスで日本の映画が何でも公開されていると言えばそんなわけもなく、全体的に見て1割にも満たないだろう。
日本はそんな中でも割と海外の作品を公開している珍しい国であって、そんな中でもやっぱり公開されない映画というのは山のように存在する。
「発掘!未公開映画研究所」はそんな映画を発掘していくというもので、その中でも更に知名度が低いものを扱っていくつもりだが、必ずしも良作ばかりではない、中には内容がひど過ぎて公開できなかったものもあるのでご注意を!!
今回紹介するのは『デザート・ダンサー』
とにかくフリーダ・ピントが美しい!
『スラムドッグ$ミリオネア』で注目され、一時はボンドガール候補にまで挙がったが、幼過ぎるということで不採用に。
『猿の惑星: 創世記』『聖杯たちの騎士』などアメリカ映画への出演作品は、日本でも公開やリリースされることがあるが、インディーズ作品や故郷であるインド映画に関しては、なかなか日本では観ることができないものが多い。今作も日本ではDVDスルーもされておらず、完全に未公開映画の紹介となる。
『スラムドッグ$ミリオネア』以降、様々な役のオファーが殺到していたフリーダ。しかし、インド人女優という境遇は当時のハリウッドはまだ厳しく、彼女を侮辱するような役も多かった。そのため、オファーを断ることも多くなっていったフリーダは、スランプに陥ってしまうことになる。
そんな中で出会った作品が、この『デザート・ダンサー』である。
ダンスを通して自分を表現するというアート的な部分と、スピリチュアルな観点からの心の葛藤などが繊細に描かれた濃厚な人間ドラマである今作の出演を経て、成長していくフリーダ・ピントの姿をリアルタイムに映し出している作品と言ってもいいかもしれない。
クライマックスの自分の存在意義を体で表したようなダンスシーンは圧巻!!
2015年の作品ではあるが、日本公開もしくはDVDリリースを強く希望する作品のひとつである。
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