2001年にレイチェル・リー・クック主演で実写映画化された『プッシーキャッツ』(ちなみに私の著書「発掘!未公開映画研究所」でも魅力について語っている)から早いもので20周年となる今年は、イギリスでサントラのレコード盤が発売されるなど、コアな人気となっているものの、近年においてプッシーキャッツといえば、やはり「アーチーズ」をダークで人間関係ドロドロにドラマ化した『リバーデイル』だと言えるだろう。
その中に登場する音楽バンド「プッシーキャッツ」は、コミックやアニメ、2001年版とは全く異なり、メンバー全員が黒人設定となり、キャラクターの個性やマイノリティもかなり現代的。
アリュリー・マレー演じるリーダーのジョシー・マッコイは、劇中で展開される事件や出来事に、がっつり関わり、スピンオフ『ケイティ・キーン』にも同じくジョシー役としてレギュラーメンバーとして参加するなど、なくてはならない存在でもある。
もともとミュージカル色の強い今作では、ミュージカル・シーン挿入する動機とされることもあって、なかなか便利な存在としても扱われている。
『ケイティ・キーン』にジョシーが移動したことで、ジョシー不在の今作だったが、残念なことに打切りとなったこともあって、再び今作に戻ってくることが期待されていた。
そして、ついにシーズン5の第15話「Return of the Pussycats 」として、プッシーキャッツにスポットを与えたエピソードが放送された。
『ケイティ・キーン』が打切りになったからこそ、できたエピソードというのは、何だか複雑な気分になってしまうが……
お馴染みのテーマ曲「Josie and the Pussycats」のアレンジバージョンも使用されており、セリーヌ・ディオンの「It’s All Coming Back to Me Now」やデュア・リパの「Physical」といった幅広いアーティストの曲も大胆にアレンジしてみせるなど、ミュージカル・エピソードとしても良作に仕上がっている。
今のところ『リバーデイル』版プッシーキャッツがスピンオフ・ドラマ化される企画はないが、原作ファンにとっては嬉しいアランの登場や、ジョシーの父の謎、ネコ耳バスが登場するなど、いつでも単独ドラマ化できそうなネタが散りばめられていて、新ドラマのプロローグやパイロット版としても機能しているようにも感じられる。
今作は、以前から度々取り上げている洋に、ミュージカル・エピソードとして『キャリー』『ヘザース/ベロニカの熱い日』などを扱うなど積極的にコラボを行ってきており、シーズン5においては「Return of the Pussycats」がミュージカル・エピソードかと思いきや、実は18話が本当のミュージカル・エピソードとなっており、『Next to Normal』が取上げられることになる。
ドラマ『リバーデイル』は日本ではNetflixにて毎週水曜日に新作エピソードが配信されており、アメリカ放送とそれほどタイムラグもない状態で観ることが可能だ。
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