以前から制作がアナウンスされていたカジョール(『何かが起きてる』『家族の四季 -愛すれど遠く離れて-』)主演のドラマシリーズで、日本でも常盤貴子主演でリメイクされたアメリカのドラマ「グッド・ワイフ」のヒンディー・リメイク版「The Trial」がインドほかHotstarが視聴可能な国で配信開始される。
カジョールにとっては、今作が初のドラマシリーズ主演となる。
カジョールといえば、『シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦』や『勇者は再び巡り会う』など、何度もシャー・ルク・カーンと共演した名コンビ女優のひとりであるが、近年はボリウッドも世代交代が進んでおり、エンターテイメント作品からは離れ、従妹のラーニー・ムケルジーと同じく『サラーム・ヴェンキー』や『トリバンガ ~踊れ艶やかに~』といったドラマ性の強い作品への出演が多くなっている。
先日配信が開始されたNetflix映画『慕情のアンソロジー2』や同じくNetflixで年内に配信予定でクリティ・サノン(『勇者は再び巡り会う』『Bachchhan Paandey』)と共演する『Do Patti』が待機中だ。
そのほかの出演者としては、フローラ・サイニ (『ストゥリー 女に呪われた町』『レインボー』)、 ジーシュ・セーングプタ(『女戦士』『マニカルニカ ジャーンシーの女王』)、クブラ・サイト(『ドリーとキティ ~輝け人生!~』『ガリーボーイ』)、 シェーダ・チャッダ(『ハーティー 森の神』『おかしな子』)、ナンシー・ギル(「Criminal Justice: Adhura Sach」「Shubh Mangal Mein Dangal」)などが名を連ねる。
シリーズ監督を務めるのは「ファミリー・マン」を手掛けたスパーン・ヴェルマ、 エピソード脚本として「ジー・カルダ ~絡み合う7人の友情~」のアッバス、フセイン・ダラールのコンビ、「ポロス~古代インド英雄伝~」のシッダールト・クマール・ティワリといったインドドラマ界の最前線にいるクリエイターたちが参加している。
インドのドラマは、発信できるプラットフォームの増加したのと同時に、他国のドラマも簡単に観られる環境になったことで、量はもちろん、質も同等に求められるようになり、ドメスティックなものからワールドワイドに受け入れられるアメリカやイギリスのドラマを意識していることから、急激なグローバル化が進んでいる。
ドラマのリイメク自体は、2010年代は韓国ドラマのリメイクが目立っていたり、近年は「クラス」のように、ヨーロッパドラマなどもリメイクされたりで映画同様にインドでは珍しい話ではない。
海外ドラマのリメイクとしては、アニル・カプールで「24 -TWENTY FOUR-」をリメイクしたというかスピンオフに近い「24: India」は有名だが、6月には同じくアニル・カプール主演でイギリスの同名作品のリメイク「ナイト・マネージャー」が配信開始された。
ほかにも「クリミナル・ジャスティス」、「Your Honor/追い詰められた判事」、「ジ・オフィス」、「ホステージ」、「Penoza」といったドラマがリメイクされている。
配信サービス戦国時代の現代において、他社とは違ったアプローチとしてアメリカやイギリスのドラマのリメイクする傾向もあって、特にHotstarはその傾向が強いように感じられるし、Hotstarの場合はDisney+とのセットになっていることもあって、よりハイクオリティなものを目指した結果として、一部の作品がリメイクという結論に達したのだろう。
日本ではようやくAmazonが少しずつドラマを配信するようになってきたが、Hotstarのインド映画、ドラマは未だに全く配信されていない。今後配信される気配もないが、話題作がもっと増えてこれば日本も無視できなくなってくるだろう。
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