12月7日から日本のNetflixでも配信が開始される『アーチーズ』。「アフター6ジャンクション」出演時にも紹介したように、『ガリーボーイ』や『人生は二度とない』『鼓動を高鳴らせ』などで知られるゾーヤー・アクタルが、アメコミ「アーチーズ」を映画化したわけだ。
「アーチーズ」といえば、ダークに誇張したドラマ『リバーデイル』や姉妹作品『ケイティ・キーン』、レイチェル・リー・クック主演のスピンオフ映画『プッシーキャッツ』も有名だが、アメリカやイギリスでは誰もが知るコミックシリーズ。
そもそもインドでアメコミを映画化するということ自体が異例中異例ではあるが、そこにゾーヤーらしいと言うべきか、様々な試みがされている斬新な作品であることは間違いない。
そこで何回かに分けて、『アーチーズ』の魅力を紹介していこう。今回のアーティスト編で紹介するのは、作中楽曲の女性メインボーカルを務め、エセル役で女優デビューも果たしたアーティストのDot.(ドット)ことアディティ・サイガルだ。
アディティの父親はインドで初めてのロック雑誌「ロック・ストリート・ジャーナル」の創刊者であり、自信もロックミュージシャンとして活動していたことからも、インディアン・ロックの父とも言われていたアミット・サイガル。
アミットは2012年にゴアの海で溺死するという不幸にみまわれたが、幼いころから音楽に触れてきたアディティも音楽の道に進むことに。
2010年というかなり早い時期にYouTubeのチャンネルを開設するが、オリジナル曲を披露することになったのは、その7年後の2017年。2021年にアルバム「Khamotion」をリリースすることに。
ロックミュージシャンの父親とは真逆のようなフレンチ・ポップ、ジャズといったジャンルを想像させる歌声のアーティストに成長した。
ファンタジックで浮遊感のある独特な世界観の持主で、リリースされた曲のなかには、あのアート系映画監督の名前をタイトルにした「ウェス・アンダーソン」という曲もある。
ちなみに母親のシャナ・ガマットは舞台女優であり、ランヴィール・シンとアヌシュカ・シャルマ主演映画『Band Baaja Baaraat』などにも出演している。
アディティの音楽業も女優業も今作への出演が大きなターニングポイントとなったことは間違いないだろう。
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