作品情報
アーサー王の甥として、怠惰な日々をおくるサー・ガウェイン。彼はまだ正式な騎士ではなく人々に語られる英雄譚もない。クリスマスの日。異様な風貌の緑の騎士から“遊び事”と称した、恐ろしい首切りゲームを提案される。その日から呪いと試練の日々が始まった・・・。
『グリーン・ナイト』レビュー
騎士として、王として、人間としての素質を試される試練の旅を描いたファンタジー。
その試練のひとつひとつのビジュアルに独自のセンスを感じさせ、目が離せないことは間違いないのだが、その試練の内容が、ファンタジーやコミックなどにおいて、私欲や心の闇に屈しない騎士の素質を常に試される旅。つまりよくありがちなフォーマットに沿っているだけに、ストーリー自体にそこまでの魅力は感じられない。
そんな単調なストーリーをどうやって魅力的なものに肉付けしていったかの過程には興味をそそられるのは事実で、今作の醍醐味はコーティングされた部分をどこまで楽しめるかにある。
ビジュアル面では『ピートと秘密の友達』の経験が、キャラクターの心情の変化は『セインツ -約束の果て-』など、 監督のデヴィッド・ロウリーの経験が上手く活かされているようには感じられるし、主演のデヴ・パテルのいつもながらの眼力が説得力をもたらしている。
時間も丁度良くて、ファンタジー大作のように3時間近くあれば、確実に退屈なものになっていただろう。ファンタジーという側面よりも「素質」を描いた人間ドラマとして、100分以内にコンパクトにまとめられていたら尚よかった。
点数 77
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