ラジオ番組「バフィーの映画な話」Spotifyなどで毎週配信中!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『ワース 命の値段』賛同が集まらなければ白紙になってしまう!政府と国民の泥沼化を防ぐために立ち上がった男の実話!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『ワース 命の値段』賛同が集まらなければ白紙になってしまう!政府と国民の泥沼化を防ぐために立ち上がった男の実話!!

作品情報

2001年9月11日、アメリカで同時多発テロが発生した。未曾有の大惨事の余波が広がる同月22日、政府は、被害者と遺族を救済するための補償基金プログラムを立ち上げる。プログラムを束ねる特別管理人の重職に就いたのは、ワシントンD.C.の弁護士ケン・ファインバーグ(マイケル・キートン)。調停のプロを自認するファインバーグは、独自の計算式に則って補償金額を算出する方針を打ち出すが、彼が率いるチームはさまざまな事情を抱える被害者遺族の喪失感や悲しみに接するうちに、いくつもの矛盾にぶち当たる。被害者遺族の対象者のうち80%の賛同を得ることを目標とするチームの作業は停滞する一方、プログラム反対派の活動は勢いづいていく。プログラム申請の最終期限、2003年12月22日が刻一刻と迫るなか、苦境に立たされたファインバーグが下した大きな決断とは……。

『ワース 命の値段』レビュー

© 2020 WILW Holdings LLC. All Rights Reserved.

911テロの被害者遺族に補償金を出すことになるが、その金額をどう決めるべきなのか、誰に渡すべきなのか、遺族の選別はどこまでにするのか……。などなど。

ただでさえ命をドル換算しなければならいプレッシャーの中で、予期せぬ突然の死にタイミング的にまだ配偶者ではなかったり、法的に関係性が明確になっていなかったりと、様々な事情を抱えている人たちもいて、決定を下すのが難しすぎる状況だ。

しかし、そもそも補償基金プログラムに対して被害者遺族の賛同を80%得られなければ補償自体が白紙になる。そうなると、のちに訴訟問題に発展した場合、国民と政府の間で長期戦で泥沼化は目にみえていて、それは国にとっても遺族にとっても良いことではない。

世帯主を失った場合は、日々の生活にままならなかったり、遺族が病気でどうしようもない場合など、誰もが納得する補償金など不可能にも思えるし、時間もない。

主人公のファインバーグは、遺族のことを想っていながらも世間からは、国民を国の言うなりに丸め込もうとしているのではないかという非人道者として扱われ、非難を受けるストレス過剰な状況に耐えながら、どうやって解決方を導き出していくか。その一番需要な部分が、なかなかざっくり描かれているのがもやもや感を際立たせている原因だ。

この手の作品は、連続ドラマとしてひとりひとりの遺族の物語を掘り下げていくのがいいかもしれないが、映画としてコンパクトにまとめられているからということもあって、全体的にドラマとしての脚色が弱く、淡々と物語が進んでいくのが実話ベースという点においては、良いのか悪いのかは悩まされる作品だといえる。

© 2020 WILW Holdings LLC. All Rights Reserved.

点数 80

© 2020 WILW Holdings LLC. All Rights Reserved.

この映画語らせて!ズバッと評論!!カテゴリの最新記事