作品情報
“ワケあり”荷物を届ける特殊配送会社「特送」。天才的なドライビング・テクニックを持つウナがある日引き受けた依頼。それは海外ヘの逃亡を図る賭博ブローカーと、その息子ソウォンを港まで運ぶにがすこと。しかし、思わぬアクシデントにより依頼人不在のまま、ソウォンと 300 億ウォンが入った貸金庫の鍵を抱えて追われる羽目に。貸金庫の鍵を狙う悪徳警官ヤクザ、冷酷非情サ イコパスな殺し屋、さらには「脱北」の過去を持つウナを秘密裏に調査する国家情報院までをも巻き込んだ、命がけの追走劇カーチェイスが始まる……。
『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』レビュー
訳あり仕事もなんなくこなす運び屋で天才ドライバーのウナ。報酬が全てというスタンスのウナは命を狙われた子どもを見捨てることができず、成り行きから助けることになってしまうが、ヤクザや悪徳警官が襲いかかる……という、巻き込まれ形のよくあるプロットだ。
しかし今作が少し違うのは、ウナは天才ドライバーであっても、戦闘スキルがあるわけではないということ。だからこそ観ている側も逆に安心できない。
それに加えて、仕方なく連れている子どもだったはずが、何とか守りたいという必死さと愛情の芽生えが伝わってくるのだ。
巻き込まれた人間が全てにおいてパーフェクトである方がおかしな話で、弱い部分があるからこそ、キャラクターの魅力も増すのだが、その点において絶妙すぎるバランスでキャラクター構築がされている。
ど派手なアクションがあるかというとそうでもないし、カーチェイスも並みレベルのものが連発されるだけで、アクション映画としての魅力は薄く、ただそれがリアルというだけのことだって、そこにおもしろさを見出せないとしたら今作が苦手な人も多いだろう。
また主演のパク・ソダムと子役のチョン・ヒョンジュンは、狙ったのか偶然なのか、『パラサイト 半地下の家族』(2019)において、家庭教師と教え子の関係性だった2人なのだが、だからといって何かネタがあるかというと、そうでもない。
余談ではあるが、ソウォンがユナにむかって「おばさん、おばさん」と言っているのを観て、パク・ソダムも小さい子から見ればおばさんなんだな……。と思ってしまった。
点数 80
コメントを書く