アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!
今回紹介するのは『マスターズ/超空の覇者』
作品情報
世界中を熱狂させた前作から約2年、待望の続編。本作では、スパイダーマンとして活躍する一方、普通の青年としての日々に、もがき悩む等身大のヒーロー、ピーター・パーカーの前に、新たなる強敵“ドック・オク”が現れる。主演を務めるのは前作同様、トビー・マグワイア。そして、“ドック・オク”役には『フリーダ』『フロントランナー』の名優アルフレッド・モリーナがあたる。最新VFXを駆使しパワーアップした映像だけでなく丁寧に描いた奥深い人間ドラマの行方に注目。
『マスターズ/超空の覇者』基本情報
1987年製作/106分/アメリカ
原題:Masters of the Universe
監督 : ゲイリー・ゴダード
脚本:『スーパーガール』 デヴィッド・オデル
出演 :
『パニッシャー』『アクアマン』ドルフ・ラングレン
『シカゴ7裁判』『運命のボタン』フランク・ランジェラ
『スクリーム』『フレンズ: ザ・リユニオン』コートニー・コックス
短評
バービー人形の印象が強かったマテル社が男の子ウケするおもちゃシリーズとして企画されたのが「マスターズ・オブ・ユニバース」
遊び心のある製作チームは、主人公の名はヒーマン(男らしい男)という、ストレートなネーミングに、世界観が定まらないまま、様々な子供が好きそうな要素をとにかくデザインに反映させることによって、個性的すぎるキャラクターが多く作られることになった。サイケデリックなデザインや臭いにおいを放つ斬新すぎるギミックなど、とにかく実験的すぎることも逆に人々の目を惹いたのだ。
「トランスフォーマー」や「G.I.ジョー」などのようにおもちゃを売るためには、コミックやアニメは不可欠ということもあり、「マスターズ・オブ・ユニバース」も1983年にアニメ化され、それが大ヒットしたことでおもちゃの売上げも右肩上がりだったが、人気が低迷し始めた頃の1897年に人気回復を目的として製作されたのが今作だった。
しかし結果は大失敗に終わり、おもちゃ店のワゴンセール行きの末路となった。
失敗したのも理解できるし、いろいろと問題点が多い作品ではあるが、今改めて観てみると、なかなか味わい深い作品にも感じられる。
製作総指揮がエドワード・R・プレスマンということもあって、『コナン・ザ・グレート』のテイストを期待したファンが多かったというのに、舞台が地球という違和感が奇妙な世界観を作り出してしまった。
ヒーマンが車に乗ったり、楽器店で敵と戦うシーンもシュールそのものではあるが、もともと「マスターズ・オブ・ユニバース」自体がシュールの塊のようなものだけに、実はこれはこれでアリにも思える。
問題なのは、そういったヒジュアル的デザインや、時代的な予算や技術は置いといて、物語自体にまとまりがないことだ。物語のピークが前半で終わってしまうだけに、後半はひたすらダラダラしている感じがしてならない。
当時のアニメ版もゆったりとしたテンポだっただけに、近いといえば近いのかもしれないが……。
監督を務めている は、ユニバーサルスタジオの「ターミネーター」や「ジュラシックパーク」の10分単位のアトラクション映像を多く手掛けているだけあって、長編よりも短編の方が向いているのだろう。
『ロッキー4』で注目されたドルフ・ラングレンの初主演映画であるのと同時にコートニー・コックスにとっても映画デビュー作となる。(国によっては「Down Twisted」の方が先に公開)
映画は失敗に終わったが、「マスターズ・オブ・ユニバース」はその後もアニメ化や、おもちゃのリバイバルを繰り返し、2021年にも新作が制作されている人気シリーズとなっている。
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