注意:『ロキ』シーズン1:最終話の結末に触れています
集合映画としてはマーベルよりも先に企画していたにも関わらず、マーベルに『アベンジャーズ』で先を超されてしまったDCコミックスだが、「マルチバース」に関しては、ドラマではあるが『フラッシュ』『アロー』『スーパーガール』などからなる「アローバース」によって、先頭を走っており、ついには大型クロスオーバー・エピソード「Crisis on Infinite Earths」で過去のドラマや映画、DCエクステンデッド・ユニバースの世界までも繋げてしまった。
これができた背景には、DCの親会社がワーナーであり、権利がマーベルのように散らばっていないという基盤があったからこそである。
一方、マーベルは今ではディズニー傘下となり、FOXも買収したことで、ほとんどのキャラクターの映像化権利が手元にあるという状況となり、今まで制作されてきたドラマとリンクは難しいながらも、今後製作する作品にいたっては、映画同様にリンクさせることが可能となった。
マーベルも本格的に「マルチバース」設定を取り込むことは、都度検討されてきていて、『ドクター・ストレンジ』や結果的に違ったものの『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は、直前で路線変更しただけで、本来は「マルチバース」に持ち込もうとしていた気がしてならなかった。
『ロキ』は、そんな「マルチバース」設定を扱いながらも、今まで描いてきたメイン・タイムラインとは別次元の物語展開としての幅を広げるのかと思いきや、シーズン1の最終話で、以前からフェーズ4以降のメインヴィランと噂され、アントマン映画第3弾となる『Ant-Man and the Wasp: Quantumania』では、『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』のジョナサン・メジャースが演じるとも報じられていた「カーン」がついに登場した。
先日公開された『ブラック・ウィドウ』もドラマシリーズの登場人物が関わってきており、ドラマ『ホークアイ』には、エレーナを演じたフローレンス・ピューの出演も決定していて、今後も映画とドラマの本格連携の姿勢をみせている。
DCの場合は、ドラマと映画を繋いだといっても、2022年に公開される『フラッシュ』にもよってくるが、「アローバース」とは、一応差別化されていて、本格的には融合しないものとしている。
しかし、DCもドラマと映画を本格リンクすべく、HBO Maxのシリーズにいたっては、DCエクステンデッド・ユニバースに属するもの(『ザ・バットマン』のスピンオフ等一部除外作あり)を多く発表しているのと同時に、オリジナル映画として、『ビクセン』や『ザターナ』といった、比較的地味なキャラクターのソロ作品を大量に発表している。
動画配信サービスと映画の本格的なリンクは、マーベルとDCにとって、共通して取り組む大型プロジェクトであることは言うまでもなく、Disney+やHBO Maxを契約している人としていない人の、ストーリー認知格差が広まる可能性も高いのだ。
- ネットもSNSも遮断されたインドの全寮制女子高を舞台に、少女たちは”自分”とは何者なのかに葛藤する!!『女子高生は泣かない』
- 第96回アカデミー賞:映画評論家バフィー吉川の最終受賞予想!事実上『オッペンハイマー』のひとり勝ち状態か?!
- インド音楽界の歴史が動いた!22年ぶりのメジャーガールズユニット”W.i.S.H.”誕生!K-POPに次ぐ世界市場を狙う!!
- この映画語らせて!ズバッと評論!!『マダム・ウェブ』始まらないドラマのプロローグを観ているような感覚になるが、若手女優たちが唯一の救い!!
- 【ちょこっとレビュー】地域復興ムービーとして応援したい気持ちを裏切るほど中途半端な主人公像『レディ加賀』
コメントを書く