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この映画語らせて!ズバッと評論!!『SAND LAND』鳥山明が好きそうな世界観とメカニックバトルが存分に活かされた展開!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『SAND LAND』鳥山明が好きそうな世界観とメカニックバトルが存分に活かされた展開!!

作品情報

魔物も人間も水不足にあえぐ砂漠の世界<サンドランド>。悪魔の王子・ベルゼブブが、魔物のシーフ、人間の保安官ラオと奇妙なトリオを組み砂漠のどこかにある「幻の泉」を探す旅に出る―。

『SAND LAND』レビュー

パワーバランスが崩壊して、完全に商品として消費されるための商売作品となってしまった「ドラゴンボール」シリーズとは別に、鳥山明が本当に描きたい初期の「ドラゴンボール」のような、冒険活劇や得意とするメカニックデザインを活かした作品というのを何年かに一度、読み切りや短期連載というかたちで制作している。

過去には、少し『SAND LAND』と設定が似ている『Pink みずドロボウあめドロボウ』や『剣之介さま』といった作品が『劇場版 ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦』と同時上映というかたちでアニメ化されているし、『貯金戦士キャッシュマン』のようにフェスの上映、のちにVジャンプの全員サービスというかたちなどもあった。

「ドラゴンボール」のように長期連載して世界観を崩壊させるよりも短編としてまとめる映画的な作品の方が好みなのだが、出版社的にはそこそこ長い作品を求めてくるため、あまり意見が合致しなかったりする。

完全懲悪のシンプルなストーリーで、鳥山明が好きな世界観が展開されるし、戦車を使ったメカニックバトルもCGアニメーションの技術をフル活用していて見応えがある。

ただ映像化するのではなく、ペンのタッチも活かされているのにも好感がもていて、その点では『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』よりも数段に鳥山明感はあるだろう。

原作をもとにしているが故の仕方なさもあるのかもしれないが、仲間の魔物は複数登場するものの、物語のなかで活躍するのがベルゼブブのお世話役のシーフだけというのが、魔物が存在する世界という設定を持て余している感じがしないではないし、結局ベルゼブブの力頼りになってしまうのも強引なまとめ方のように感じてしまう。

もう少しブラッシュアップとアップデートしても良かったのではないだろうか…..。

30~40代の鳥山明短編に慣れている世代にとっては、そこそこ楽しめる作品かもしれないが、若い「ドラゴンボール」ユーザーがこれを好きかというと、なかなか難しい部分はあるかもしれない。

点数 79

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