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この映画語らせて!ズバッと評論!!(配信映画版)『13:ザ・ミュージカル』ユダヤ教徒の少年がいかに人気者になろうかを悩む可愛らしいミュージカル!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!(配信映画版)『13:ザ・ミュージカル』ユダヤ教徒の少年がいかに人気者になろうかを悩む可愛らしいミュージカル!!

作品情報

両親の離婚で、母親のジェシカ (デブラ・メッシング) と共にニューヨークを離れることになった、12歳の少年エヴァン・ゴールドマン (イーライ・ゴールデン)。13歳を祝うユダヤ教の成人式バル・ミツバーが目前に迫るタイミングで、友達や父親 (ピーター・ハーマン)、そしてユダヤ教の指導者であるラビ (ジョシュ・ペック) からも引き離されてしまうことになったエヴァンは、ひどく落ち込む。しかし、インディアナ州ウォーカートンの小さな町にある祖母 (リー・パールマン) の家に到着した彼は、バル・ミツバーを史上最高のパーティーにして、新しい友人を作る計画を練り始めた。よそ者として転校先の学校の複雑な人間関係の中で揉まれるエヴァン。彼はすぐに、中学2年生にとってあまりにもお馴染みの不安を抱えているのは、自分だけではないと気が付く。新しい友人のパトリス (ガブリエラ・ウール) とアーチー (ジョナサン・レンゲル) が、それぞれ地球の運命と叶わぬ恋に悩む一方で、人気者のチアリーダー、ルーシー (フランキー・マクネリス) は、大好きなブレット (JD・マクラリー) と親友のケンドラ (リンジー・ブラックウェル) のファーストキスを何とか阻止しようと必死。さらに厄介なことに、エヴァンはパトリスのことを嫌う人気者たちまでもパーティーに招待してしまう。それぞれの思惑が交錯する中、エヴァンは”パーティーまでに全員を仲良しにする”という、もはや不可能ともいえる課題と向き合うことに……。

『13:ザ・ミュージカル』レビュー

原作は2008年に初演された、アナ・ケンドリック主演で映画化もされた「ラスト5イヤーズ」のジェイソン・ロバート・ブラウンによるミュージカル舞台である。ブロードウェイ公演版では、まだ歌手として注目される前のアリアナ・グランデが出演していたことでも有名だ。

2014年から映画化企画があったが紆余曲折あって、結局Netflixに落ち着いたといったいつものパターンだ。

ユダヤ教徒にとって13歳になるということは、子どもが責任をもてる歳になったということ。そのことを祝うユダヤの行事バル・ミツバーを成功させたいと願っていたエヴァンのもとに起こる出来事を描がかれている。

感受性が豊な頃に体験する両親の離婚やニューヨークからインディアナの田舎ウォーカートンに急遽引っ越すことになったことによる生活環境の変化などを子どもの目線から描いたミュージカルなのだ。

ウォーカートンという場所は、ユダヤ教徒があまり住んでいないという、少数マイノリティの苦悩を描く側面もありながら、メインは典型的なスクールカーストの中で、子どもが個性を出すにはどうしたらいいかという往年のテーマがベースとなっている。

キャストは多様性に配慮して様々な人種のキャストが出演しているが、あくまで描いていることは子ども目線の出来事ということで、人気者になるにはどうしたらいいか問題やグループに溶け込むには問題、そして恋愛と友情の問題がメイン。恋愛といってもドロドロしていないし、LGBTQなどは直接的には描かれいない、あくまでファミリー向けに構成された本当に可愛らしい作品である。

今作の監督タムラ・デイヴィスといえば、近年は『STAR 夢の代償』や『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』などの音楽ドラマのエピソード監督として知られているし、ミュージック・ビデオなども多く手掛けていることからも、ミュージカル・シーンの演出はさすがに見事だ。

実はブリトニー・スピアーズ主演映画『ノット・ア・ガール』の監督でもあるが、それが原因かは不明だが、長年の間、劇映画の監督からは離れてしまっていただけに、今作が長編劇映画の復帰作でもある。

ハニー・ガールズ ~夢への扉~』にも出演していた、ルーシー役のフランキー・マクネリスの歌声はプロ並みであるし、主人公エヴァン役のイーライ・ゴールデンもどことなくジャスティン・ロングのような風格が漂う。他にも今後活躍しそうな子役たちが大勢出演していることもあって、次世代俳優図鑑のような楽しみ方もできるのだ。

点数 80

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