作品情報
爆発事故でカナダの鉱山の地下に閉じ込められた26人の作業員。救出装置を運
ぶため、4人のトラックドライバーが集められる。30tの巨大トラック3台が走る
最短ルートは、氷の道〈アイス・ロード〉。スピードが速すぎれば衝撃で、遅す
ぎれば重量で、氷が割れて水に沈む。地下の酸素が尽きるタイムリミットは30時間。4人はドライブテクニックと強いハートで、名誉と報酬を手にするはずだった。ところが、事故には危険な陰謀が隠されていた──。
主演は『96時間』シリーズで、〈演技派アクションスター〉としての名声を獲
得したリーアム・ニーソン。『フライト・ゲーム』で飛行機、『トレイン・ミッ
ション』では通勤電車で暴れたリーアムが、今度は巨大トラックを華麗かつ完璧
に操って観る者を魅了する。監督・脚本はジョナサン・ヘンズリー。命がけで地球を守ろうとするワーキングクラスのヒーローたちに、全世界が感動の涙を流した『アルマゲドン』、さらに『ザ・ロック』、『ダイハード3』などの脚本を手がけた大ヒットメイカーだ。本作でも、ワケありの人生から一発逆転を図ろうとする4人のドライバーが、26人の命を救うため極限のミッションに挑む、熱いレスキュー・エンターテイメントを描き切った。
『アイス・ロード』レビュー
日本人は何だかリーアム・ニーソンに一定の安心感をもっているみたいだが、個人的にはリーアム・ニーソン主演と聞くと不安しかない。しかも『アルマゲドン』の脚本家というお墨付きとなると……B級映画の保証書が付いているようなものだ。未だに『アルマゲンドン』を名作だと思っている人が多いのもおかしな話だが、それは置いといて、今作はどうかというと……やはりB級映画。
良く言えば飛びぬけた失敗作ではないということでもあるだけに、地上波で放送されていたら観るのが丁度いい作品といえるだろう。
今作は、日本でも「世界まる見え」で一部を抜粋した映像を放送していたヒストリーチャンネルのリアリティーショー「アイスロード・トラッカーズ」の劇映画化企画が2010年頃から浮上していたものの、結局製作されなかった末の派生企画ものだろうと思うが、正直言って「アイスロド・トラッカーズ」が終了してしまった今としては、インパクトとしては弱い。
何より緊張感が非常に薄い。というのも、今作で一番描くべき部分は、通常時でもアイスロードを走るというのには危険が伴うというのに、氷の地盤が保証できかねる時期真っ只中に走らなければいけない状況となり、命をかけて荷物を運ぶ際の緊張感が主人公含めかなり薄い。『アルマゲドン』の人物描写が薄口な部分と妙にリンクしてくるのも、作家性というへきだろうか。
「アイスロード・トラッカーズ」は男臭くてごきげんで不器用な野郎どもによる会話やそれぞれが抱えるバックボーンのおもしろさが売りだったというのに、寡黙なリーアム・ニーソンが主人公という時点で画的に地味になること間違いないだけに、そうなってくると緊張感重視となるのが、自然な流れなはず。
予想に反して『俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトルinニューヨーク』のような。ごきげんなリーアム・ニーソンなら良かったのだが、今回はいつもの感じだ。
地味さをカバーするかのように登場する謎の邪魔者たちの存在によって、緊張感も何もあったものではなくなってしまい、そんなに長くないはずなのに、2時間半ぐらいの映画に感じてしまった。
『THE GREY 凍える太陽』『スノー・ロワイヤル』など……他にもあるが、寒い場所のリーアム・ニーソン映画は、失敗することを学んでくれ!
点数 65
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