作品情報
中学時代の野球部生活に別れを告げ、高校デビューを目指し茶髪に染めて入学した黒田鉄平。夢見たバラ色の高校生活は、うっかり野球部の見学に行ってしまい、あっけなくゲームセット。 新入生歓迎の儀式で早々に坊主に逆戻り、、、練習以前に、グラウンド整備や白線引きにすら怒鳴られる日々。おまけに一目惚れした同級生は、なんと先輩の妹(手を出したら、即死)。そしてヒエラルキーの頂点に立つのは、ヤバい見た目と言動で三年生をも震え上がらせる最恐の監督。強くはない、けど別に弱小でもない。そんな中途半端な並の都立高校野球部で、助け合ったりいがみ合ったりしながらも生き延びていく黒田ら一年生。そして、恐れていたはずの“伝統”に、気がつけば自分たちも染まっていた……。
『野球部に花束を』レビュー
野球部は丸坊主にする。そんな戦時中から続く時代錯誤な理念も年々変化しており、近年では坊主にすること自体を廃止する高校まであるほど。
それでもやっぱりあるのが、パワハラ上等、丸坊主当たり前な野球部のあるあるネタを敷き詰めた青春コメディ。
時代に逆行するからこその学校内での孤立感、理不尽な練習、体罰だってある。そんな自虐的ネタを笑いに変換しているものの、それが実際にあるからこそ笑えるか笑えないかは、観る人によるだろう。
老け顔ティーン俳優を起用して、老け顔ネタをするのは、今の時代にそぐわないのか、老け顔ネタキャラは、明らかにおじさん俳優が演じているが、みんな坊主ということもあって、生え際が目立つのが難点。それも含めてのネタかもしれないが……。
今作はあくまでコメディであって、スポコン映画ではないため、野球部を描いておいて、肝心の試合シーンがざっくりとしか描かれておらず、徹底的に野球部いじりに徹しているのは潔い。
ネタ的なものとして観る分にはいいかもしれないが、映画としては全体的にまとまりが悪く、ラストもあまり腑に落ちない。
せっかくなら、主人公たちの卒業までを描いてほしかったところだ。
#醍醐虎汰朗 #黒羽麻璃央 #駒木根隆介 #市川知宏 #三浦健人 / #里崎智也(野球解説者) #小沢仁志 / #髙嶋政宏 原作:#クロマツテツロウ 『野球部に花束を ~Knockin’ On YAKYUBU’s Door~』(秋田書店「少年
点数 72
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