作品情報
1986年に起きたパンナム航空73便のハイジャック事件をもとに、実在の客室乗務員ニールジャー・バノートの勇気溢れる戦いをスリリングに描く実録ドラマ。世界の映画賞で30以上の賞を受賞した。
『ニールジャー』レビュー
1986年に起きたハイジャック事件。乗客と乗務員を命をかけて救い出したモデル兼客室乗務員のニールジャーの物語を『ラーンジャナー』『プレーム兄貴、王になる』のソーナム・カプール主演で描いた作品。
ニールジャーは、高圧的な夫の元で虐げられた生活をおくっていた過去があり、それがトラウマとなっていた。
ハイジャック犯が高圧的な夫、つまりインドの保守的で女性に高圧的な男の象徴のように描かれており、フラッシュバックも盛り込まれる。
それによって、ニールジャーがハイジャック犯に立ち向かう様子は、全ての高圧的な男性への反発心のメタファーでもあり、全体的にインドにおける女性解放のメッセージも込められているようにも感じられる。
ニールジャーは超人的な戦闘スキルをもったヒロインではない。ごくごく一般的な女性である。そんな彼女が、乗客と他の乗務員のために、命をかける様子は、純粋そのものな、人を救いたいとう心によるもの。
みんなと同じく、怖くて仕方ないというのに、とっさに子どもを守ろうと行動する姿は感動する。
ハイジャックといっても、飛行機自体は離陸前。ど派手なパニックものを想像していると、シンプルな内容に驚くかもしれない。ニールジャーがどういった人物だったか、ニールジャーの家族や、恋人になるかもしれなかった相手も掘り下げながら描いていく、人間ドラマという側面の方が強いだろう。
点数 80
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