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社会風刺監督アダム・マッケイが仕掛けるブッシュ政権の黒い笑い…『バイス』

作品情報

第91回アカデミー賞に8部門ノミネートされた『バイス』

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のスタッフ&キャストが再結集し、ジョージ・W・ブッシュ政権でアメリカ史上最も権力を持った副大統領と言われたディック・チェイニーを描いた社会派エンタテインメントドラマ。これまでも数々の作品で肉体改造を行ってきたクリスチャン・ベールが、今作でも体重を20キロ増力。髪を剃り、眉毛を脱色するなどしてチェイニーを熱演した。チェイニーの妻リン役に『メッセージ』『アメリカン・ハッスル』のエイミー・アダムス、ラムズフェルド国防長官役に『フォックスキャッチャー』『40歳の童貞男』のスティーブ・カレル、ブッシュ大統領役に『スリー・ビルボード』『チャーリーズ・エンジェル』のサム・ロックウェルとアカデミー賞常連の豪華キャストが共演している。

映画『バイス』の魅力とおすすめポイントを紹介!

映画『バイス』の魅力とおすすめポイントを紹介!

ブッシュ政権時に影で活躍した副大統領ディック・チェイシーをクリスチャン・ベイルが特殊メイクで熱演し、アカデミー賞の前哨戦とも言われるゴールデングローブ賞を受賞した。

監督のアダム・マッケイはウィル・フェレル主演の映画『タラデガ・ナイト』『俺たちニュースキャスター』などコメディを多く手掛ける監督。マーベル・シネマティック・ユニバースの『アントマン』では脚本を手掛けており、MCUの中で異質な雰囲気を持っているのはアダム・マッケイの脚本力が大きいだろう。

単なるコメディ映画・テレビドラマの監督というだけではなく、政治や経済の知識も兼ね備えていて『マネー・ショート』ではサブプライムローン問題を扱い、経済用語が飛び交うという、大真面目に作っている映画なはずなのに、どこかコメディ色を漂わせていたが、今回の『バイス』はジャンルが完全にコメディということで、アダム・マッケイの本領がフルに発揮されるとみていいだろう。政治風刺やシニカルなネタを所せましと散りばめてくるに違いない。

ブッシュ政権のことを知らない人は少し勉強してから観たほうがいいのかもしれない。小ネタがわかるとこの映画は数倍おもしろくなる。

アカデミー賞有力候補!!

アカデミー賞が好きなネタはモノマネ、ゲイ、黒人、歴史、クラシカル...基本的に投票する人達の年齢層が高いんでわちゃわちゃした映画はあまり選ばれない。

この映画はモノマネと歴史を扱っているのと、『ボヘミアン・ラプソディ』と比べるとターゲットとしている年齢層は高いことから『ローマ』に次ぐ本命と言っていいと個人的には思っている。

『マネー・ショート』のスタッフとキャストの顔ぶれからすると、歴史というより風刺に近く、ジャンルがコメディになっている。それが吉と出るか凶と出るか...

クリスチャン・ベイル、体張ってます!

それにしてもクリスチャン・ベイルかわからないぐらいの完成度。

『マシニスト』では30キロも減量し、更に『バットマンビギンズ』では30キロ太り筋肉ムキムキにするという役作りへのこだわりが半端じゃない俳優。今回は2017年4月から役作りを開始し、約半年かけてパイをたくさん食べ、ご飯1杯に15個の卵を入たりと太る努力をした結果、約20キロ増量させた。

増量するにあたって、第90回アカデミー主演男優賞をチャーチル役の見事な役作りで受賞したゲイリー・オールドマンに相談したとか。

すっかり中堅俳優となったスティーブ・カレルを観て!

スティーブ・カレルと言えば『俺たちニュースキャスター』や『ザ・オフィス』などで知られるコメディ俳優。ジム・キャリー主演の『ブルース・オールマイティ』ではサブサブキャラクターながら、その存在感から彼を主人公とした『エバン・オールマイティ』が製作されたほど。

アカデミー賞にノミネートされた作品『リトル・ミス・サンシャイン』ではコメディ俳優というイメージから演技派俳優と世間のイメージに変化をもたらした。

どうしてもコメディ俳優というイメージが強いため、コメディ色のドラマなどの仕事のオファーが多いものの、2014年の『フォックスキャッチャー』ではコメディを封印してシリアスな演技に挑戦し認められた。

他にも出てくるブッシュ政権下の関係者

主人公のディック・チェイシー、ブッシュ、ラムズフェルド、パウエルとメインキャラクターじゃない官僚たちに注目してもらいたい。

日本でもニュースなどで多く取り上げられてきた、ライス国務長官も登場。演じるのは『トゥルークライム』のリサ・ゲイ・ハミルトン。

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