作品情報
福島県いわき市にある「東北のハワイ」ことスパリゾートハワイアンズのダンシングチーム、通称〔フラガール〕。フラガールを仕事に選んだ新入社員・夏凪日羽(なつなぎ・ひわ)と同期の仲間たち、そして彼女たちを取り巻く人々との絆を描くオリジナル長編アニメーション映画『フラ・フラダンス』。新社会人としての期待や不安、そして友情と成長が新人ダンサーたちの瑞々しく真っすぐな姿で紡がれる、笑って泣けて元気になるエンタテインメント作品がこの冬、公開!!
主人公・夏凪日羽役には女優、声優、歌手と、若くして幅広い活動で注目を集め続け、本作がオリジナルアニメ映画初主演となる福原遥。日羽の同期となる新人フラダンサーたちには、女優に加え、声優としても活躍の場を広げている美山加恋。NHK連続テレビ小説「なつぞら」など話題作に次々と出演し、本作が長編アニメ映画初声優となる女優・富田望生。「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」など数々の話題作に出演する注目の若手声優・前田佳織里。そして2018年から声優としての活動を始め、本作が初の劇場作品メインキャストとなる陶山恵実里が演じ、彼女たちを支える癒し系マネージャー役には話題の映画・ドラマ・舞台への出演が続き、俳優としてますます存在感を増している山田裕貴、そして憧れの先輩社員役には俳優・ミュージシャンとして国内にとどまらず海外でも幅広い活躍をし続ける、本作が声優初挑戦のディーン・フジオカといった実力派の面々が彩る!!
『フラ・フラダンス』レビュー
絵柄はともかく、『アイカツ!』のスタッフがかなり入っていることもあって、フラダンスのシーンがアイカツ的な演出に違和感があるため、そこが苦手な人もいるかもしれないが、描かれている内容は、なかなかディープだ。
舞台となるは福島県いわき市にある「スパリゾートハワイアンズ」
ここは日本アカデミー賞を受賞した『フラガール』でも舞台になった施設であるが、『フラガール』の場合は昭和40年代のエネルギー革命によって、鉱山が封鎖され、失業者が増えた福島の「復興」が描かれていたが、今作で描かれるは、同じ復興であっても、東日本大震災後の福島の復興と全く違うものだというのに、その役割を果たすのが、どちらもスパリゾートハワイアンズであって、福島にとっては希望や再生の象徴となっていることが感じられる
同じ 「ずっとおうえん。プロジェクト 2011+10…」 のプロジェクトりのひとつとして公開された『岬のマヨイガ』も同様であるし、脚本家の吉田玲子の作家性として、悲しみの中で過去に依存するのではなく、残された者の希望や再生を描くという点が今作でも存分に活きているといえる内容に仕上がっているといえるだろう。
『きみと、波にのれたら』や『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』もまさにそういったテーマ性が共通しているといえるだろうし、悲しみの中で生きていくよりも、先に進むことこそが亡くなっていった者たちの願いであると吉田玲子が信じているからなのだろう。
今作の主人公たちは、震災というものを10代前後で体験している世代という点でも、それを背負って生きていく若者たちの様々な視点を描きながら、王道のガールズムービーやお仕事ムービーとしての側面もあることで、説教臭くもない、絶妙なバランスで構築されている作品だ。
双葉社の「ふたまん+」でも紹介記事を寄稿したので、12月3日公開日前後に公開されます!
点数 77
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