THE映画紹介とは?
THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。
アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!
今回紹介するのは『ジェイソンX』
作品情報
近未来。クリスタル湖の地下に在る研究所で、“不死身の”殺人鬼ジェイソンが遂に冷凍にされる。それから400年。人間によって汚染され、見捨てられた星と化した地球は有毒物質が蔓延する大地と海の惑星になっていた。考古学者のロウ教授は研究のため、この旧地球に降り立つ。そして奇妙なマスクをつけた伝説の殺人鬼ジェイソンを発見。教授は宇宙船に持ち帰り、ジェイソンを蘇生させてしまう。
『ジェイソンX』基本情報
2002年製作/91分/アメリカ
原題:Jason X
監督:ジム・アイザック
出演:ケイン・ホッダー、リサ・ライダー、デビッド・クローネンバーグほか
『ジェイソンX』短評
『13日の金曜日 ジェイソンの命日』に続き、ニューライン・シネマ製作の「13日の金曜日」シリーズとしては第2弾になるが、この作品の裏で動いていた企画が『フレディVSジェイソン』であり、前作と近い時代背景にすると、ストーリーが描きづらくなるかもしれないという点と、シリーズ10作目記念ということで、私たちの想像を飛びぬけた、舞台を宇宙に設定した、まさかのSFホラーでアクション要素も高い。
いつもと違う舞台を設定にするというプロットは固まっていただけに、アフリカのジェイソン、北極のジェイソンなど、様々な環境下でのジェイソンを試行錯誤された中で最後に出たアイデアが「宇宙」だった。更に設定を2455年にしたことで何でもありが許される舞台設定を行ったのだ。ちなみにこの映画の世界では2024年にホッケーは禁止になっている。
閉鎖された空間の中で得体の知れない存在に追い詰められるという内容は、『エイリアン』のオマージュであるし、出演者も『アンドロメダ』などSFドラマに出演経験者が多く、SFに関しては素人で不安があることが伝わってくる。
『ゴースト・オブ・マーズ』や『バイオハザード』『ドゥーム』のような特殊部隊とモンスターが戦うという2000年以降、量産されたSFアクションやゲームなどもいくらか参考にされているのではないかと思われる。
何度負傷しても、何度殺しても組織レベルで回復してしまい、殺すことができないという今までの疑問点をキャラクターの特性としてしまったことで、そんな神秘的な存在の怪物は研究するしかないと、研究材料にされてしまったジェイソン。他の場所に移そうとしたが、案の定逃げ出してしまう。ギリギリのところで研究所の関係者であり、主人公ローワンは、ジェイソンを冷凍するがナタで刺されて、ローワンも冷凍されてしまうというストーリーはシンプルで今までの「13日の金曜日」シリーズの疑問点への回答ともなっているなど、メタ的要素も盛り込まれている。
セックスしていると殺されるし、ゴジラでもキングコングでも何度も描かれてきた、特殊な存在は生け捕りにして、お金を稼ぎたいという考えた者は無残な最期を遂げる。ホラーのお約束もアクションのお約束要素もバランスよく取り入れていて、辛うじてホラーというジャンルに留まっているが、アンドロイドや特殊部隊との対決は、完全にアクション映画だ。
冒頭に登場するジェイソンを連れていこうとするウィマー博士を演じているのは、『ザ・フライ』『スキャナーズ』で知られる映画監督のデヴィッド・クローネンバーグだ。今作では、見事なやられっぷりを披露していて必見だ
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