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THE映画紹介『リトル・ミス・サンシャイン』2000年代のおかしな家族ロードムービーの基礎を作った良作!!

THE映画紹介とは?

THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。

アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!

今回紹介するのは『リトル・ミス・サンシャイ』

作品情報

アリゾナからカリフォルニアまで伸びるハイウェイを走るおんぼろのフォルクスワーゲン・ミニバス。埃っぽい砂漠をひた走る黄色い車に乗ったフーヴァー一家の物語「リトル・ミス・サンシャイン」こそが大作がひしめくサマー・シーズンのフィナーレをサプライズ・ヒットで締めくくった家族再生の物語だ。製作まで5年かかったアートハウス・ムービーの前評判が高まったのは、当時、『40歳の童貞男』で人気上昇したスティーヴ・カレルの新作ということで、ハリウッドのディール・メーカーが虎視眈々と狙い始めたのだ。その後、1月に行なわれたサンダンス映画祭でプレミア上映されるや、熱狂した観客のスタンディング・オベーションで場内が割れんばかりに盛り上がる結果に。即座に配給権をめぐる争奪戦が勃発し、契約金は同映画祭史上最高額にまでハネ上がった。ハリウッド業界はもちろん、映画ファンの間でも一気に期待値が上昇した。

『リトル・ミス・サンシャイン』基本情報

2006年製作/100分/PG12/アメリカ
原題:Little Miss Sunshine

監督 : 『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』『ルビー・スパークス』ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス

脚本: 『スター・ウォーズ フォースの覚醒』『トイ・ストーリー3』 マイケル・アーント

出演 :

『ハッピーエンドが書けるまで』『ストレンジ・アフェア』グレッグ・キニア

『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』『500ページの夢の束』トニ・コレット

『バイス』『30年後の同窓会』スティーヴ・カレル

『ダンボ』『クーパー家の晩餐会』アラン・アーキン

『ザ・バットマン』『ワイルドライフ』ポール・ダノ

『ザ・コール 緊急通報指令室』『ザ・コール 緊急通報指令室』アビゲイル・ブレスリン

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』『パワーレンジャー』ブライアン・クランストン

完成まで5年!お蔵入りの危機まであった!!

kinopoisk.ru

『リトル・ミス・サンシャイン』企画がハリウッドに登場したのは、2001年。マシュー・ブロデリックのアシスタントを務めたことだけがショービジネス界におけるキャリアという無名の新人脚本家マイケル・アーントが書いた脚本をビッグ・ビーチ・プロダクションのマーク・タートルトーブが15万ドルで購入したのだ。

ゴールディ・ホーンや『おかしな泥棒ディック&ジェーン』のディーン・パリゾットら多数が監督に名乗りを上げたが、白羽の矢が立ったのはジョナサン・
デイトン&ヴァレリー・ファリスの夫婦監督。

監督コンビは企画を前進すべくさまざまなスタジオに製作を打診したが、風変わりな脚本に興味を示したのは『ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢』『すべてが変わった日』のフォーカス・フューチャーズ1社のみだった。

しかも家族群像劇に主人公が必要と考えた同社幹部は脚本のリライトのために『ニコラス・ケイジのウェザーマン』『ワンダー 君は太陽』のスティーヴ・コンラッドを起用。

新脚本を読んだジム・キャリーやトム・ハンクス、ロビン・ウィリアムスらがリチャード・フーヴァ一役にアプローチ。

またゲイのプルースト学者フランク役にベン・スティラーやビル・マーレイの名前が浮上したものの、契約は結ばれないまま、2004年にはフォーカス・フューチャーズが企画を棚上げし、実現が見送られると思われたところに登場したのが『彼女はパートタイムトラベラー』『母の残像』などで知られる製作のマーク・タートルトーブだった。

短評

インデペンデント色の強い作品や、シュールなコメディ映画等、2000年代のサーチライト・ピクタャーズ作品の代表作のひとつとして知られる『リトル・ミス・サンシャイン』

今となっては『フォックスキャッチャー』やApple TV+の『ザ・モーニングショー』でみせる渋い演技で、俳優としての評価も高いスティーヴ・カレルだが、当時は『40歳の童貞男』『俺たちニュースキャスター』など、ザ・アメリカンコメディといったような、コメディ作品への出演が多かった。

……というかコメディアンだから当然ではあるのだが、スティーヴの役者的地位が向上したのも今作からであって、いつもの通りのコミカルなキャラクターの雰囲気は維持しつつ、人間臭さも表現していた。

全体的な内容としては、擬似家族もの、一家のロードムービーものといった、ひとつのコメディプロットを定番化させた作品と言っても過言ではなくて、単純におかしな家族のロードムービー的な楽しみ方でもできる。

その一方で、それぞれのキャラクターが何かしら問題を抱えており、道中の経験を経て成長や解決をみせる部分も王道ではあるものの、ハートフルな物語としても楽しむことができる。

ミスコンといえば、スラッとした体形というのは、子供のミスコンも同様であるが、そういった子供の頃からルッキズムなど、生活環境などによって決まったものだけが優位に立てるという、子供にとってもステレオタイプの象徴のような場場に、お腹がぽっこり出て、メガネをかけているアビゲイル・ブレスリン演じるオリーヴが挑戦し、それに感化された家族や親戚たちも加わることで、型にはまったものからの脱却、多様性を訴えかけるようでもあったのだ。

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