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THE映画紹介『ヘアスプレー』公民権運動後も黒人差別が概念を歌って踊って吹っ飛ばそう!!

THE映画紹介とは?

THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。

アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!

今回紹介するのは『ヘアスプレー』2007年版

作品情報

『ピンク・フラミンゴ』『シリアル・ママ』のジョン・ウォーターズ監督が88年に発表した青春カルト映画『ヘアースプレー』は、02年にブロードウェイでミュージカル化され、トニー賞8部門を受賞した。そのミュージカルをジョン・トラボルタ、クリストファー・ウォーケンら豪華キャストで映画化。60年代ボルチモア、人気TV番組「コーニー・コリンズ・ショー」に憧れる、ちょっと太めの女子高生トレーシーは、番組レギュラーメンバーのオーディションが開催されると知り、喜び勇んで挑戦するが……。

『ヘアスプレー』基本情報

2007年製作/117分/アメリカ
原題:Hairspray

監督: 『ロック・オブ・エイジス』『女神が家にやってきた』のアダム・シャンクマン

出演:ニッキー・ブロンスキー、アマンダ・バインズ、クィーン・ラティファ、ジョン・トラボルタ、クリストファー・ウォーケン、ザック・エフロン、ミシェル・ファイファーなど

『ヘアスプレー 』おすすめポイント

ジョン・トラボルタ29年ぶりのミュージカル

『グリース』以来、ミュージカル映画には出演していなかったジョン・トラボルタが29年振りに出演したミュージカル作品でもある。

実はトラボルタは、2002年のミュージカル映画『シカゴ』で当初、リチャード・ギアが演じたビリー・フリンのオファーがあったのだが、それを断ったという経緯があって、トラボルタ自身、『シカゴ』がヒットしたことからも、その時に断ったことをずっと悔やんでいて、次にミュージカルのオファーがきたら受けようと考えていたのだが、それがまさか『ヘアスプレー』で女性役になるとは、正直思っていなかっただろう。

ちなみに『グリース2』では主演を務めたミシェル・ファイファーも出演しており、『グリース』と『グリース2』の主人公が共演している作品でもあるのだ。

大型新人ニッキー・ブロンスキーの今、そして出演者は…

1000人のオーディションの末、主役に抜擢された当時は新人のニッキー・ブロンスキーだが2019年現在はどうしているのだろうか…

『ヘアスプレー』出演後は『13歳のハゲ頭』やドラマシリーズなどに出演していたが、『ヘアスプレー』を超える作品には出会えておらず、2013年以降はあまり作品に出演しておらず、ハリウッドのビューティーサロンでバイトをしながら、オーディションを受けるという日々を過ごしていた。

それでも女優の道を諦めずに、オーディションを受け続け、日本でも2019年に公開されたバート・レイノルズ最後の主演作『ラスト・ムービースター』に出演している。

その他の出演者としては、当時はまだ『ハイスクール・ミュージカル』のシリーズかが続いていて、ディズニー・チャンネル臭がぬぐい切れていないザック・エフロンや『ピッチ・パーフェクト』のブリタニー・スノウの姿が実に初々しい。

題材は暗いのにとても明るい

この『ヘアスプレー』全体を通して何を描いているかと言うと「人種差別」なのだ。舞台となるのは1962年ということで、『グリーンブック』と同じぐらいの1960年代が舞台となっている。

1960年代というのは、差別をやめようという意識が芽生えつつあるものの、昔ながらの風習や自分の中の概念が邪魔をして、思ってはいるけど…やめられないという変革が必要な時期だったのだ。

アマンダ・バインズが演じるペニーは、黒人と恋人同士になり、それをテレビを通して発表したり、黒人と白人が同じ画面の中で踊っているという画期的かつ、舞台の当時としては衝撃的映像を見せることで、暗い「人種差別」というテーマをポップでコミカルに料理していながら、観ている側には「人種差別」なんてバカバカしいという余韻を残すという素晴らしいバランスで構築されているのだ。

まだまだ終わらない『ヘアスプレー』旋風

『ヘアスプレー』は映画公開前から、ブロードウェイ・ミュージカルとして話題の作品でもあったが、その勢いは今でも留まることを知らず、ロングラン作品となっている。

ジーザス・クライスト・スーパースター Live in Concert』のNBCがライブ版として放送した『ヘアスプレー ライブ!』では、歌手としてもアーティストのモノマネのクオリティの高としても有名なアリアナ・グランデ、『ドリームガールズ』『SING』のジェニファー・ハドソン、『ディセンダント』のダブ・キャメロン、『ライオン・キング』で幼少期のナラの声や『アス』の長女役としても知られるシャハディ・ライト・ジョセフなど早々たるメンバーが集結した。

2020年6月には渡辺直美を主演に日本版舞台も公演される

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