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この映画語らせて!ズバッと評論!!『ALIVEHOON アライブフーン』実戦主義なヤツが勝つ決まってる!…..そんな時代は終わった!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『ALIVEHOON アライブフーン』実戦主義なヤツが勝つ決まってる!…..そんな時代は終わった!!

作品情報

解散の危機に瀕するドリフトチームがスカウトしたのは、内向的な性格から人付き合いが苦手だが、ゲームにだけは驚異的な才能を放つゲーマー・大羽紘一。
実車でもその力を発揮する紘一だったが、彼の前に生死をかけてレースに挑む者たちが立ちはだかる。今、紘一の覚醒したテクニック・情熱・勇気、そしてチームワークは、バーチャルとリアルの壁をブチ破り、新たな極致へ……。

『ALIVEHOON アライブフーン』レビュー

主人公は実戦経験はないが、eスポーツでは「グランツーリスモ」の世界チャンピオン。トム・クルーズ主演映画『デイズ・オブ・サンダー』で、レース経験のない主人公が「テレビでは観たことがある」と答えるシーンがあるが、導入部分が少し似ている気がした。もしかして、このセリフを誇張したのか?とも思ったが、偶然かもしれない。

ドリフト界の大物が実名で多数出演していたこともあって、試写室は映画関係者というより、レース関係者の方が多かった印象もある。

ここのドリフトが凄い!とか、このドライバーテクニックが凄い!とかは、理解しきれない部分もあって、レースに関しては知識がそれほどないため、あくまで映画として評価すると……悪くはないし、レースに興味がなかったとしても、設定のおもしろさで観れてしまう作品である。

ゲームばかりやってるやつより、実戦を積んでる方が強いに決まってるだろ!というアウェーな空気の中で、主人公が実戦経験者のライバルたちを蹴落としていく様子は、迫力と緊迫感、なによりカタルシスがあるものの、時代により価値観の変化を感じずにはいられない。

ひと昔前であれば、実戦主義だったわけで、データ分析やシュミレーションばかりやってるキャラクターは、泣きを見るというのが映画やアニメでも定番だったのが、時代は変化したものだ。

主人公も「絶対に勝ってやる!」っていうような、熱血ファイターではないが、仲間たちの温かさに触れながら成長していくという王道の描写はある。しかし、最終的にも現代っ子らしく冷めた目線で物事を捉えていて、友情や愛よりも我が道を進むといったところがなんともリアル。

戦争もドローンやAIを使う時代になり、無人戦になることで、ゲーム感覚になってしまい、人間を殺す罪悪感がなくなるという懸念の声もある時代。

ゲーム感覚の思考が人間性を奪うという点は、そういった社会問題にも共通する部分はある。

そもそも人間性とは何だろうか……そんなことを考えているのは、時代遅れと言われるような時代に突入したということなのだろうか…….。

点数 83

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