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この映画語らせて!ズバッと評論!!『老後の資金がありません!』古典的な中年夫婦の家族喜劇かと思いきや現代的な概念に向かう展開をみせる!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『老後の資金がありません!』古典的な中年夫婦の家族喜劇かと思いきや現代的な概念に向かう展開をみせる!!

作品情報

主婦・後藤篤子(天海祐希)は、困っていた。家計は妻に任せきりの夫・章(松重豊)の給料と篤子がパートで稼いだお金をやりくりして、フリーターの娘・まゆみ(新川優愛)と、大学4年生の息子・勇人(瀬戸利樹)を育て上げた。節約をモットーに、自分に許した小さな贅沢と言えば、月謝5000円のヨガ教室程度。憧れのブランドバッグも我慢して、老後の資金をコツコツと貯めてきた……はずなのに!身の丈に合っていたはずの篤子の生活が、突如綻び始めたのだ……。

『老後の資金がありません!』レビュー

老後に必要な資金は最低2000万円、急な出費なども想定すると4000万円必要とされる現代社会。しかし、そんな資金はほとんどの世帯が持っていない……   山田洋次が得意とするような、不安な老後を目前とした、夫婦の喜劇映画だと思っていたし、前半はその通りではあった。

葬式には幾ら必要とか、結婚には幾ら必要とか……人生を数字換算したバラエティ番組の劇中劇のような物語が続き、それはそれで普通に勉強になる。

小さい笑い所もあり、元宝塚を活かした自虐ネタもある。天海祐希と松重豊の夫婦が実際に存在していそうな絶妙な関係性もあって、何となく観る作品としてはいいだろう。

ところが後半になるにつれて、「お金」という概念に捕らわれない生き方に意味を見出していく、非常に現代的な価値観の探求を描いた物語になっていくのが特徴的だ。

若い世代の視点から描いた作品や極端な大自然に住む人の視点から描いた作品は数多くあるものの、老後を目前とした日本に生きる中高年夫婦の視点で描いた作品としては珍しい。

企画プロデュース:平野隆 プロデューサー:岡田有正 下田淳行

監督:前田哲 脚本:斉藤ひろし 音楽:富貴晴美

原作:垣谷美雨「老後の資金がありません」(中公文庫)

製作:映画「老後の資金がありません!」製作委員会 制作:ツインズジャパン 配給:東映

(C) 2021映画「老後の資金がありません!」製作委員会

点数 77

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