ラジオ番組「バフィーの映画な話」Spotifyなどで毎週配信中!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『シャーク・ド・フランス』オフビートなサメ映画で名女優マリナ・フォイスがマクドーマンド感を覚醒する?!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『シャーク・ド・フランス』オフビートなサメ映画で名女優マリナ・フォイスがマクドーマンド感を覚醒する?!

作品情報

舞台は、フランス南西部にある平穏なリゾート地ラ・ポワント。ある日、この小さな村の美しい海で正体不明の怪物に襲われた男性が発見され、観光客で賑わう
ビーチは大パニックになってしまう。海上警察官の一員マジャは、通報を受け海へ。調査に立ち会った検視官とマジャは、遺体や現場に残されていた激しい損傷、痕跡などから、サメの仕業であると推測する。当初、地元の漁師らは「サメなど見たことない!」「危険があるとしたら都会から来る若者だ!」と信じようとしなかったが、気候変動と温暖化により可能性は大いにあり、さらなる調査のためにビーチは閉鎖に追い込まれる。マジャは市民らの日常を取り戻すため、数日後に控えていた早期退職日を延期してまで、最後の任務としてサメ退治に挑むことを決意するのだった……。

『シャーク・ド・フランス』レビュー

私は確信する』や東京国際映画祭で上映された『ザ・ビースト』などの話題作に出演し、ちょっとフランシス・マクドーマンドのような雰囲気漂う、フランスの名女優マリナ(マリーナ)・フォイス主演のオフビートなサメ映画。特に今回はオフビートという部分が、よりマクドーマンド感を漂わせている。

全体的にスティーヴン・スピルバーグの名作『ジョーズ』のオマージュとなっていて、似たような構図もいくつかあるし、予算の都合でサメをあまり見せないという点もそうだし、悪ノリなのか何なのか、あえてチープ感満載のサメが襲ってくる。

今作はフランス初のサメ映画とうたっているが、本当なのだろうか?と疑いたくはなる。劇場公開されたものとしては~ということかな??

ピンキリでいえば何かありそうな気がするが……。

コロナ禍だったというとも反映されており、根底にはコロナが落ち着いて人々がビーチに出始めたときにサメ騒動は、やめてもらいたいという心情が要素として乗っかってはいるのだろう。

それも含めて、キャラクターたちのゆるい空気感のなかでのやりとりと、一方でサメに食べられた人間の破片は、そこそこリアルな造形で見せてくるため、ブラックジョーク要素もあるのだろうし、そういった点においては、ウェス・アンダーソンの世界観もチラつく。色彩感覚も少し似ているのではないだろうか。

緊張感が全くないため、パニック映画という枠組みではなく、キャラクターたちの心理描写がメインとなってくるわけだが、ユルいだけに、濃厚な人間ドラマは期待できず、常にオフビートのまま展開されていく。

サメを動物愛護問題の観点から殺さなかったために、逃げ出して二次被害が発生したことで主人公マジャの責任が問われ、村八分状態になりながらも人々を救うために奮闘するという精神論がメインで描かれていて、もっとマジャを詳細に描くことでシリアスにも、逆にコミカルにもできただろうが、あえて中間のぬるま湯のような状態の作品だが、それを狙っているのだから何とも言いようがない。制作者にとってはこれが正解なのだろう。

フランスのコメディ感覚がいまいちよくわかってない部分もあるかもしれないが

点数 77

この映画語らせて!ズバッと評論!!カテゴリの最新記事