
THE映画紹介とは?
THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。
アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!
今回紹介するのは「女必殺拳」シリーズ1作目『女必殺拳』
作品情報

日本で少林寺拳法の修業をつんだ娘が、失踪した兄の行方を捜しながら麻薬組織に挑戦するアクション映画。脚本は『聖獣学園』の鈴木則文と『色情トルコ日記』の掛札昌裕、監督は『忍者ハットリくん』『黄金バット』の山口和彦、撮影は『色情トルコ日記』の中島芳男がそれぞれ担当。
『女必殺拳』基本情報

1974年製作/86分/日本
配給:東映
監督: 山口和彦
出演 : 志穂美悦子、早川絵美、千葉真一、宮内洋ほか
短評

監督は白黒の特撮ドラマ『忍者ハットリくん』や『黄金バット』の助監督や東映ポルノ作品、数々のアクション映画の監督務め、東映を支えてきた山口和彦による志穂美悦子主演アクション映画
香港映画・カンフー映画ブームに便乗して、日本でも東映が格闘技アクション映画をコンセプトして、千葉真一主演で1973年に制作した「ボディガード牙」シリーズに続き、1974年に制作された「殺人拳」シリーズの女性版としてスタートした企画であり、海外では「殺人拳」の海外タイトル「Street Fighter」に対して「Sister Street Fighter」とされていて、スピンオフという位置づけではあるが、キャラクター設定は別ものである。
「ボディガード牙」シリーズから、千葉真一と付き人のような立ち位置で千葉真一の作品にたびたび出演したことから、志穂美悦子主演シリーズがスタートすることになった。ちなみに今作にも千葉真一は出演している。
志穂美悦子は、1973年に『キカイダー01』でビジンダーに変身するマリ役としてすでに知名度があったためか、アクション映画というより特撮ヒロイン映画のようなテイストとなっている…というか70年代の東映アクション映画は、変身ヒーローの登場しない特撮ヒーローものの様なものが多い。

流石に怪人を出すわけにもいかないのだが、怪人にも負けないぐらいの個性的すぎる殺し屋や刺客達が目を惹く作品であり、この独特のテイストは1977年の『怪傑ズバット』などにも影響をあたえている。
ブルース・リーの映画や「007」シリーズに登場する個性的な敵を日本版にアップデートすることで、元々がおバカな設定なのにも関わらず、更におバカ度が増すことの証明をした作品と言ってもいいかもしれない。
敵の設定が国際的犯罪組織ということで、麻薬を密輸しているというグローバルなネタを取り扱っているのだが、宮内洋が大変なことになってしまう。
宮内洋は、主人公の兄役で出演しており、麻薬密輸組織に拉致されているという設定なのだが…なんと麻薬漬けにされてしまっているのだ。
今作が公開された1974年は主人公・風見志郎を演じた『仮面ライダーV3』終了後、後番組である『仮面ライダーX』のラスト近くで仮面ライダーV3がゲスト出演していた頃と重なっており、麻薬漬けにされた宮内洋の姿は、子供たちの目には、どう映っていたのだろうか…
志穂美悦子は、今では歌手の長渕剛の奥さんとして知られているが、かつては東映を代表する元祖アクション女優であることは、忘れないでもらいたい。

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