イントロダクション
アメリカの夢「NFL」かひた隠した“闇にたった一人で立ち向かった医師がいた
単なるスポーツの枠を超えて、いまやアメリカを代表するエンターテインメントとなったNFL(ナショナル·フットボール·リーグ)。国民を熱狂させる巨大組織がひた隠しにした“闇”に、たった一人で立ち向かった医師がいた。
試合中の激しいタックルが引き起こす脳疾患【CTE (慢性外傷性脳症)】を発見したナイジェリア移民の医師が、ただ真実と正義を求めて、”アメリカの夢”と対峙する。全米を揺るがせた衝撃の告発をリアルに映画化。巨匠リドリー·スコット(製作)と名優ウィル·スミスがタッグを組んだ、誇り高き人々の物語。
ストーリー
ナイジェリアから夢を抱いてアメリカにやってきたベネット·オマル(ウィル·スミス) は、優秀で真面目な医師。2002年、ピッツバーグで検死官を務めていた彼は、元NFLの名選手マイク・ウェブスター(デヴィッド·モース)の変死解剖を担当する。“史上最高のセンター”と言われながら晩年は奇行を繰り返し、ホームレス同然の生活を送っていた地元の英雄。その死因に不審を抱いたオマルは、周囲の反対を押し切ってマイクの脳を精査し、CTE (慢性外傷性脳症)という新疾患を発見し、警道を鳴らすべく論文を発表した。だがNFL側は、アメリカの国民的スポーツを根底から揺るがしかねない事実を全面否定。絶大な権力で彼と周囲に圧力をかけ始める。
スタッフ・キャスト
監督 : ピーター・ランデズマン『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』 『ザ・シークレットマン』
脚本 : ピーター・ランデズマン『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』 『ザ・シークレットマン』
出演 : ウィル・スミス『ドリームプラン』『ウェルカム・トゥ・アース あなたの知らない地球』
アレック・ボールドウィン『アリー/ スター誕生』『パブリック 図書館の奇跡』
アルバート・ブルックス『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』『タクシードライバー』
デヴィッド・モース『アメリカン・ソルジャー』『16ブロック』
ポール・ライザー『エイリアン2』『ホース・ガール』
アドウェール・アキノエ=アグバエ『スーサイド・スクワッド』『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』
ビッツィー・トゥロック『アーティスト』『スーパーマン・アンド・ロイス』
クレジット
製作:リドリー·スコット『最後の決闘裁判』『ハウス・オブ・グッチ』
ジャンニーナ·ファシオ=スコット 『ゲティ家の身代金』
音楽 : ジェームズ・ニュートン・ハワード
2015年/アメリカ/英語/122分/カラー/原題「CONCUSSION」/配給:キネマ旬報DD/第73回ゴールデングローブ賞(2016) 主演男優賞(ドラマ)ノミネート
短評
アメリカの国民的スポーツであるアメフト界に戦いを挑んだ男の実話をベースに描いた物語。
アメフトにおけるタックルやぶつかり合いが、脳疾患を引き起こす恐れがあるという、不都合な真実。
大くの企業がスポンサーとして関わり、国のエンターテイメントとしてのイメージの保持など、簡単に「危険だからやめよう」とは言える規模ではない。
それでも真面目なオマルは正義を信じ、突き進むが、様々な圧力や嫌がらせ、家族への負担なども重なり、精神的にも肉体的にも限界になりながらも、それでも突き進む様子は感動をよぶ。
しかし一方で、私たちの周りには、わかっていても見ないようにしていることなど、いくらでもある。家族を危険にさらしてまでも信念のために突き進むことが、自分ならできるだろうか…….そういった自分の中にあるモラル感が徹底的に試さられる作品ともいえるだろう。
- ネットもSNSも遮断されたインドの全寮制女子高を舞台に、少女たちは”自分”とは何者なのかに葛藤する!!『女子高生は泣かない』
- 第96回アカデミー賞:映画評論家バフィー吉川の最終受賞予想!事実上『オッペンハイマー』のひとり勝ち状態か?!
- インド音楽界の歴史が動いた!22年ぶりのメジャーガールズユニット”W.i.S.H.”誕生!K-POPに次ぐ世界市場を狙う!!
- この映画語らせて!ズバッと評論!!『マダム・ウェブ』始まらないドラマのプロローグを観ているような感覚になるが、若手女優たちが唯一の救い!!
- 【ちょこっとレビュー】地域復興ムービーとして応援したい気持ちを裏切るほど中途半端な主人公像『レディ加賀』
コメントを書く