THE映画紹介とは?
THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。
アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!
今回紹介するのは『ブーリン家の姉妹』
作品情報
16世紀イングランド。新興貴族のブーリン家は、世継ぎに恵まれない国王ヘンリー8世に長女アンを差し出す。彼女が世継ぎの男児を産めば、一族は富と名声が得られる。しかし、王が目をかけたのはアンの妹メアリーで……。後に英国黄金時代を築くエリザベス1世の母となるアン・ブーリンと、その妹メアリーの王の寵愛を巡る確執を描く歴史劇。姉に『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマン、妹に『キャプテン・マーベル』『マリッジ・ストーリー』のスカーレット・ヨハンソンと若手トップ女優が競演。脚本は『クィーン』のピーター・モーガン。
『ブーリン家の姉妹』基本情報
2008年製作/115分/アメリカ・イギリス合作
原題:The Other Boleyn Girl
監督: 『チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛』のジャスティン・チャドウィック
出演:ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ、ベネディクト・カンバーバッチ、エディ・レッドメインほか
『ブーリン家の姉妹 』おすすめポイント
エリザベス1世の母アン・ブーリンと妹の愛憎劇
『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』ではマーゴット・ロビー、『エリザベス』ではケイト・ブランシェット、『女王エリザベス』ではベティ・デイヴィスなどが演じて、そのほかにも何度も映画化されてきたエリザベス1世の母親であるアン・ブーリンと妹であるメアリー・ブーリンが姉妹間でヘンリー8世をめぐり、さらに周りを巻き込んでドロドロの愛憎劇を描いたフィリッパ・グレゴリーの小説を映画化した作品。ちなみに2003年にもBBCによるテレビ映画版も制作されている。
ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンの女優魂のぶつかり合いのメタファーがブーリン姉妹のように思えるぐらいの、激突ぶりは正に昼ドラの世界である。イングランドの王室というのは、日本の『大奥』に通じるものがあるぐらい、愛憎ネタの宝庫だと言っていいのかもしれない。
またナタリー・ポートマンは1981年生まれ、スカーレット・ヨハンソンは1984年生まれということで実際に歳が近いことや彼女達の役者性の違いが、よりリアルな姉妹感を演出することに成功していて、映画のぎくしゃく感がリアル過ぎて実際に不仲説があったほどだ。
監督のジャスティン・チャドウィックはチューダー朝を舞台にした『ゴッドファーザー』みたいな物語に仕立てたと語っている。
イギリスがおしゃれになり始めたチューダー朝時代
ブーリン姉妹が生きた時代の16世紀イングランドはチューダー朝時代と呼ばれており、このチューダー朝時代というのは、現在のイギリスの基盤と言うべきモダンなデザインが始まった時代、つまりイギリスがおしゃれになり始めた時代でもあるのだ。
プロデューサーとして『エリザベス』を色彩豊かに表現させてみせたアリソン・オーウェンが参加している。また当時の衣装を再現した衣装担当のサンディ・パウエルは当時の宮廷画家ハンス・ホルバインの絵をモデルにして衣装を製作した。
ちなみにアリソン・オーウェンはジャスティン・チャドウィックの2018年の映画『チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛』でもプロデューサーとして参加している。
まだ若手俳優だった今の映画界で活躍する名英国俳優が共演
今作はナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンの共演は見所ではあるが、その他にも当時は若手であったジム・スタージェスをはじめとする若手イギリス俳優たちが多数出演しているのだ。
なかでもメアリー・ブーリンの1番目の夫ウィリアム・ケアリーを演じた『ドクター・ストレンジ』『ビトウィーン・トゥ・ファーンズ: ザ・ムービー』のベネディクト・カンバーバッチと2番目の夫ウィリアム・スタッフォードを演じた『リリーのすべて』『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』のエディ・レッドメインの共演に注目してもらいたい。
エディ・レッドメインは2014年の映画『博士と彼女のセオリー』
ベネディクト・カンバーバッチは2004年のテレビ映画『ホーキング』
この2人は同じ理論物理学者であるスティーヴン・ホーキンス博士の生涯を描いた作品に主演したという共通点のある俳優でもあるのだ。
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