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THE映画紹介『グリンチ(2000)』

THE映画紹介とは?

THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。

アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!

今回紹介するのは『グリンチ(2000)』

作品情報

世代を超えて愛され続けるドクター・スースの絵本「グリンチはどうやってクリスマスを盗んだか」を、『アポロ13』『シンデレラマン』のロン・ハワード監督がジム・キャリー主演で実写映画化したファンタジーコメディ。世界で最もクリスマスを愛する街フービル。しかし、全身が緑色の毛で覆われたひねくれ者の怪人グリンチは、クリスマスが大嫌いだった。街中がクリスマスムードで沸き立つ中、グリンチは人々からクリスマスを盗もうと企むが……。

『グリンチ(2000)』基本情報

2000年製作/105分/アメリカ
原題:How the Grinch Stole Christmas

監督:『インフェルノ』のロン・ハワード

出演:ジム・キャリー、テイラー・モムセン、クリスティーン・バランスキー、ケリー(犬)ほか

そもそもグリンチって何?

ゴーストライダーは今まで今作の他に『エージェント・オブ・シールド』にも登場している燃えたドクロというインパクト抜群のキャラクターである。

グリンチとキャラクターは、アメリカで最も有名な絵本作家と言っても過言ではないドクター・スースが1957年に発表した『いじわるグリンチのクリスマス』に登場したキャラクター。

アメリカではクリスマスと言えば、グリンチが連想されるぐらいのポピュラーなキャラクターである。

1966年にテレビアニメ映画『How the Grinch Stole Christmas!』で初映像化さた。日本では長年の間、ソフト化も放送もされていなかったが、今作で知名度が上がったことで2001年にカートゥーン・ネットワークにて『グリンチのクリスマス』というタイトルで日本初放送された。

2018年には『ミニオンズ』や『ペット』で知られるイルミネーション・エンターテイメントが『グリンチ』をCGアニメ化して話題となった。イルミネーションは2012年にもドクター・スース原作の『ロラックスおじさんの秘密の種』を発表している。

イルミネーションのアニメはドクター・スースの影響が強く、今後も2003年にマイク・マイヤーズ主演で実写化された『ハットしてキャット』のアニメ映画化やドクター・スースの伝記映画を製作予定とドクター・スースのリスペクトは忘れていない

映画化までの道のり

ロン・ハワードとは相棒的な存在であり、今作のプロデューサーでもあるブライアン・グレイザーは1995年頃から映画化を目指してアプローチを始めていたが、ドクター・スースは1991年に亡くなっており、権利は妻であるオードリー・ガイゼルにあったため、彼女を口説く必要があったが、当時の映像技術では満足いく作品が製作できないと考え、すべて断っていたが映像技術の進歩と共に映画化を承諾し、ついに製作が開始されることになった。

キャスティングも油断ができなかった。オードリーが認めない場合は製作が中止になってしまう。そこでブライアン・グレイザーはプロデューサーとして参加した映画『ライアーライアー』のジム・キャリーにグリンチ役をオファーした。

ブライアンは、グリンチを映画化するとなった以前から、ジム・キャリーを見て「グリンチのようだ」と思っており、ロン・ハワードもジム・キュリーのキャスティングには賛成だった。

オードリーにジム・キャリーがグリンチを演じることを伝えると、『マンオン・ザ・ムーン』の撮影場所を訪れた。その際にジム・キャリーは即興でグリンチのモノマネを披露した。グリンチの特殊メイクをしていないのにグリンチに見えてしまうジム・キャリーの演技はオードリーを驚かせた。もちろん答えはOKであったことから本格的に製作開始となった。

犬のマックスは普通の犬だった?!

グリンチに欠かせないのは、相棒である犬のマックスだ。マックス役を演じているケリーは訓練をしたタレント犬ではなく、ユニバーサル・スタジオの近くのグレンデールにある動物保護施設にいた普通の犬である。

ケリーは家から逃げ出し、保護施設に拾われていたのだ。1966年のアニメ版のマックスにそっくりだったことが決め手とはなったが、普通の犬であるケリーをグリンチの相棒役にするために訓練するのは、気の遠くなる道のりではあったが、15週間の訓練の結果、ケリーは見事にマックス役を演じきった。

テイラー・モムセンの幼い姿は必見!

ロン・ハワードはシンディ役に6歳以下の子供という条件を付けた上に、物語の進行役で出演シーンがグリンチと同じぐらい長いことを考えると簡単ではなかったが、200人以上の子役をオーディションして、決まったのがテイラー・モムセンだ。 テイラーは見事にシンディ役を演じきった。

テイラーはその後、『スパイキッズ2 失われた夢の島』や『鉄ワン・アンダードッグ』などキッズムービーに多く出演した。『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』では最終オーディションまで残ったが残念ながら選ばれなかった。

ロックバンドを結成して歌手デビューも果たしたテイラーだが、彼女を再び注目されることになったのがドラマシリーズ『ゴシップガール』

『ゴシップガール』でメインキャラクターであるジェニー役を演じたことでファッション・アイコンとして話題になり、彼女のファッションは雑誌で特集されるほどの人気となった。それは日本でも例外ではなく、「テイラー・モムセンスタイル」という雑誌が発売されたほどだ。

『ゴシップガール』終了後は音楽業に専念しており、ツアーやアルバム制作を行っている。HBO Maxでリブートが決定している『ゴシップガール』にテイラーが出演するかは未定だ

特殊メイクはリック・ベイカー

グリンチとフーたちの特殊メイクを担当したのは、『グレムリン2』『メン・イン・ブラック』など多数の話題作でも特殊メイク・アーティストとして活躍したリック・ベイカー。

ドクター・スース的にしながら、人間らしくも見える絶妙なラインは難関であったが、一番の難関はやはりグリンチだ。

ジム・キャリーの体を使った独特のコメディセンスや顔の表情に耐えられて、自然にみえる様にしなければならなったため、自由自在に動くゴム製の装具を顔につけ、毎日3時間かけてグリンチを完成させていた。

リック・ベイカーは、当時5度のアカデミー賞受賞歴があったが、今作で6度目のアカデミー賞メイクアップ賞を受賞した。

『グリンチ』短評

私がこの映画を観たのは、中学3年生の頃。1年前に近くの映画館がつぶれてしまい、自転車で片道1時間かけてシネコンまで観に行ったのを今でも覚えている。レンタルが開始された頃には、レンタル店に交渉して期間が終わった後に立て看板をもらってきたのだが、6店舗に声をかけていて、6店舗全てもらえたものだから、家にグリンチの立て看板が6個ある。

グリンチというか、ドクター・スースが日本では、ほとんど知名度がなかったが、『マスク』が大ヒットしたことで、ジム・キャリーが日本でも人気で公開作品が比較的上映されていたこともあり、『グリンチ』を観る目的はジム・キャリーという人がほとんどだった。

特殊メイクをしていても、ジム・キャリーとわかる表情や演技によって単純にコメディとしても楽しむことができるし、ファンタジックな世界観ながら、おとぎ話になりきらないがドクター・スースのイメージを壊さないという絶妙なバランスは素晴らしかった。

当時、グリンチの食玩が2種類発売されたが、かなり限定的な流通だったため、どこも売っておらず、大きいショッピングモールから小さいスーパーまで50店舗は探したり、電話をかけたが見つけられなかった。メーカーに直接電話したら、サンプル品を送ってくれたが、今でもどこで売っていたのかが謎である。フィギュアも日本のメーカーが輸入しなかったため、売られていなかったが、海外から取り寄せたトーキング・ドールが今でも電池が切れていない。

少し脱線したが、個人的に映画的にもキャラクター的にも好きだった作品である。映画館では2回しか観ていないが、ビデオやDVDを合わせると30回は観た作品だ。

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