作品情報
キアヌ・リーブスが伝説の元殺し屋に扮し、銃とカンフーを融合させた「ガン・フー」や車とカンフーを合わせた「カー・フー」など、これまでにないアクション要素を盛り込みヒットした「ジョン・ウィック」シリーズの第3弾。前作で怒りのあまりに、一流殺し屋が集う「コンチネンタルホテル」の掟である「ホテル内で殺しはおこなってはいけない」を破ってしまったジョン。聖域から追放された彼を待っていたのは、組織による粛清の包囲網だった。刺客たちがさまざまな殺しのスキルを駆使し、賞金首となったジョンに襲いかかる。傷だらけとなったジョンは、かつて「血の契約」を交わしたソフィアに協力を求め、カサブランカへと飛ぶが……。監督は前2作から続投のチャド・スタエルスキが担当。イアン・マクシェーン、ローレンス・フィッシュバーンら前作からのキャストに加え、オスカー女優のハル・ベリーが謎の女ソフィア役で出演。
『ジョン・ウィック パラベラム 』レビュー
戦っているだけの映画とみせかけてばらまくネタの数々
キアヌ・リーブスの新たな代表的シリーズとして、すっかりと定着したとも言える「ジョン・ウィック」シリーズの第3弾。
作品の内容がほぼ戦っているだけというもので、とにかく核となる部分はペラペラしていて、単純にアクションまみれの娯楽作と観ることもできるのだが、細かい情報を拾い集めていくと物凄い世界観が広がっていっていることに気づかされる。
殺し屋の登録機関の情報や更に上の組織の存在など、少しファンタジー感も増してきたし、続編につなげられそうなネタも散りばめてあって、意味のあるものなのか、ただ意味深にしてあるだけなのか…今回はサイドストーリーネタがふんだんに散りばめられていて、全体的にガチャガチャ&チカチカする。
いつまでも続けられそうなストーリーでキアヌはどこまで行けるのか?
ジョン・ウィックの1作目から時間軸的に1カ月ぐらいしか経過していないということから、こんなペースでやられていたらキアヌ・リーブスの歳がついていかないのではないだろうか?
ナイフを突き刺され、ガラスに何度も突っ込み痛々しい肉弾戦の数々...ジョン・ウィックはどこに向かっていくのだろうか...最終的に殺し屋のネットワーク自体を壊滅させるか、ジョンが死ぬかしか終着点が見えてこないだけに、しばらくは終わらせるつもり全くなさそうだ。
前々から企画されていると言われていた『バレリーナ』につながるかの様なシーンやテレビドラマ化も企画されている殺し屋専用のホテル「コンチネンタルホテル」の細部の情報も少し明かされるなど、「ジョン・ウィック」ユニバースの拡大を想像させ、個人的にはジョンと同じく犬を愛する元殺し屋でハル・ベリーが演じるソフィアのスピンオフもできそうだ。
日本を意識したヴィランによってB級感が増し増しに!!
今回のメイン・ヴィランはニューヨークのガード下で「きゃりーぱみゅぱみゅ」の曲がかかる店で働くマーク・ダカスコス演じる寿司職人「ゼロ」。たまに日本語を喋るし、店に日本語が書いてあることから、おそらく日本人の設定であると思われるが明らかにおかしい。
しかも、とりまきは忍者。おかげでB級アジア映画感がより増してしまったと言えるだろう。
実はジョン・ウィックのファンで出会い方が違えば友達になれただろうと言ってきたりするが、ジョンに拒絶されるシーンはなかなかおもしろかった。
ジョンが指を切って忠誠心を表すというシーンは日本のヤクザ映画の影響なのだろう。その他にはホテルにやたらと鎧兜が置いてあるなど、間違っているけれども、今回は何かと日本を意識しているものと思われる。
キアヌはこのシリーズの他に『マトリックス』の新作や長年の間、製作に着手されなかったが最近になって本格的に動き出した『ビル&テッド』の続編とこれから忙しそうだ。
点数 70点
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