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この映画語らせて!ズバッと評論!!『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』複雑になり過ぎた世界だからこそ、シンプルな回答が求められている!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』複雑になり過ぎた世界だからこそ、シンプルな回答が求められている!!

作品情報

『スピード』や『マトリックス』でトップスターとなり、近年も「ジョン・ウィック」シリーズなど活躍を続けるキアヌ・リーブスが若かりし日に主演し、ロックスターにあこがれる高校生のビルとテッドが時空を超えた冒険を繰り広げる姿を描いたコメディ「ビルとテッドの大冒険」のシリーズ第3作。前作から29年ぶりの新作となった今作では、主演のリーブスとアレックス・ウィンターの2人が、ミュージシャンになった大人のいまも少年の心を忘れないビルとテッドを三度演じ、タイムマシンで新たな冒険に出る姿を描く。自分たちの音楽が将来世界を救うと予言されたビルとテッドは、曲作りに励み、その時を待ち続けて早30年。人気も年月とともに落ち込み、いまや応援してくれるのは家族だけだった。そんな彼らのもとに未来からの使者が現れ、時空の歪みによって人類滅亡まであと77分25秒しかないという驚きべき事実を伝える。ビルとテッドは世界の消滅を防ぐため、そして「世界を救う音楽」を完成させるため、伝説のミュージシャンを集めて史上最強のバンドを結成しようと、過去や未来を駆け巡る。監督は『ギャラクシー・クエスト』のディーン・パリソット。 える。

『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』レビュー

作る作ると言われ続けて、キアヌ・リーブスが忙し過ぎてなかなか実現しなかった続編企画が、ついに29年後の時を経て完成したわけだが、キアヌがバカやってくれてるのは、今となっては、なかなか新鮮である。

一方、アレックス・ウィンターは暇だから、キアヌ次第かと思えば、2010年頃からドキュメンタリー監督としての才能を発揮していて、なかなかの高評価を得ているとか。

どちらも忙しくて、実現に時間が経ってしまったわけだが、更に『ビルとテッドの地獄旅行』で死神役を演じたウィリアム・サドラーも参加していて嬉しい限りだ。前作のときは、まだまだキャリアが浅かったわけだが、今では渋さが売りの名脇役という地位を築いている。そんなウィリアムが白塗りをして、登場してくれるということもキャストの人間性の良さを感じないではいられない。

何で生計を立てているのかは謎なのだが、ビルとテッドの微妙にかみ合ってない独特の掛け合いは相変わらず。

今回も音楽で世界を救うという使命を与えられた2人ではあるが、前作ではズルして切り抜けたものの、今回も未来の自分達から曲を手に入れようとする点は、ある意味賢いのかもしれないし、29年経っても変わってないというのがほのぼのとしつつも、 時の流れというのは残酷で、キアヌの疲れた顔が痛々しい。

アクション映画の場合は、髭を生やしたり、傷だらけだったりと、何かとカモフラージュされていて、みえないようになっていただけで、こんなに疲れた顔してたんだと思うと複雑な気分になる。

一方で、今回はサマラ・ウィーヴィングとブリジット・ランディ=ペイン演じる2人の娘たちも活躍の場が与えられていて、この2人の娘も反則技は反則技ではあるが、正統派と錯覚してしまう。

タイム・パラドックスなんて関係ない、理屈なんて関係ないと言わんばかりに 歴史改変を続ける二人を観ていると、正に女性版ビルとテッドという感じで、 スピンオフも作れそうなほどキャラが立っている。

こんな複雑に入り組んだ世界ではあるけど、 社会概念に従って生活している、いわゆる「ちゃんとした」人たちが気づかない簡単で深い回答。音楽があれば世界がひとつにできるという、シンプルな回答でありながら、音楽は時代も国も超えて、言葉が通じない人との意思疎通ができる手段であるし、音楽って本来そういうものだということを気づかさせてくれる。

コロナウイルスや大統領選挙で分断されているような社会には、シンプルな回答こそが今求められているのかもしれない。

点数 76

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