作品情報
アメリカでもカルト的な人気を誇る井口昇監督の『片腕マシンガール』を『全員死刑』の小林勇貴監督が新しい物語と世界観でリブート。臓器売買の元締め「ダルマ屋」が支配する無法地帯・イシナリ地区。幼い頃に親に身体を売られたアミとヨシエ姉妹は、ゴダイ一座の見世物小屋でアイドルとして舞台に立ちながら、助け合って生きていた。ヨシエは失った片腕にマシンガン義手を装着し、ダルマ屋の女ボス青山ダルマへの復讐の機会を狙っていた。ヨシエはダルマの息子カルマを半殺しにしたことでダルマ屋に捕われの身となり、アミもダルマ一味に捕まってしまい片腕を切断されてしまう。ダルマはゴダイ一座をせん滅するべく、殺し屋協会ランキング1位の橘キキョウを一座に送り込む。アミ役をドラマ『3年A組 今から皆さんは、人質です』の搗宮姫奈、ヨシエ役を『仮面ライダー鎧武』の花影香音が演じるほか、坂口拓、北原里英、根岸季衣らが顔をそろえる。
『爆裂魔神少女 バーストマシンガール 』レビュー
残念なことに海外においての日本映画と言えば、実は『片腕マシンガール』が該当してくるということを知っているだろうか。
アメリカで受けるものとは何か…女子校生、寿司、芸者、侍、忍者…そんなアメリカウケを狙ったカルトレーベルが存在していて、例えばDVDショップの日本映画のコーナーに行ってみると置いてあるのは、ゴジラや仁義なき戦い、ジブリなどに並んで置いてあるのは、『片腕マシンガール』や『東京残酷警察』である。
日本ががんばってファンタジーや感動大作を作って世界に売り出そうとしたところで、実際にウケるのはゲテモノ映画というのが現実なのだ。
今作は、そんな『片腕マシンガール』のリブート版とされているが、女子校生の片腕がマシンガンになるという大まかな設定以外は、オリジナル版と別ものである。
ストーリーがどうとかいう問題ではない!そもそもストーリーなんて無茶苦茶である!!
そんな部分を今更指摘する気にもならないし、ストーリーを気にするような人が、この映画を観ようとは思わないだろう。
何が凄いかというと、徹底的にカオスを追求している部分である。決してまとまりのある映画として完成させようとなんて思ってすらいないのであろう。
かつて日本でもあった、見世物小屋や障害者に対しての酷い扱いや、アンダーグラウンドな文化や性の描き方など、決してメジャー映画ではできない表現を惜しみなく使っている点だ。
作品としては最低極まりないが、ここまで開き直って、突っ走っていることだけは、評価しないではいられない。
このサイトでも評した『ゴーストマスター』という映画は、このカオスを追求するべきだった。中途半端に良い作品にしようという邪念を持ってしまっては、駄作という名の先にあるカオスゾーンには到達できないのである。
点数 55点
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