この映画語らせて!ズバッと評論!!『ゴーストマスター』

この映画語らせて!ズバッと評論!!『ゴーストマスター』

作品情報

『ダンスウィズミー』の三浦貴大と『愛唄 約束のナクヒト』の成海璃子を主演に、悪霊によって地獄絵図と化した青春恋愛映画の撮影現場を舞台に描くホラーコメディ。黒沢清監督に師事し、アメリカ人の父と日本人の母を持つヤング・ポール監督の長編デビュー作。映画撮影現場で助監督をしている黒沢明は、名前だけは「巨匠」の風格だが、頼まれると断れない性格で要領の悪い、B級ホラー好きの気弱な映画オタクだ。現在の黒沢が携わる「壁ドン」な青春恋愛映画の現場で、監督やスタッフからこき使われる日々を送っていた。いつか自分が監督となった日に撮ることを夢見て、書き温めていた「ゴーストマスター」の脚本は、黒沢の心の支えとして、いつも肌身離さずに持ち歩いていた。しかし、あまりの過酷な撮影現場でたまりにたまった黒沢の不満と怨念のような映画愛が「ゴーストマスター」の脚本に悪霊を宿してしまう。そして、脚本に宿った悪霊により、青春映画の撮影現場は凄惨な地獄絵図と化していく。

『ゴーストマスター』レビュー

B級どころかZ級のキワモノ系の末端

ハリウッドがB級テイストを狙って製作したら、B級テイストを保っていられるのに、日本がB級テイストを狙うと、BもCも通りこしてZ級のキワモノになってしまう。

今作は2015年からスタートした映像クリエイター発掘企画の「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM」の2016年度の準優勝作品を元に映画化した作品である。

過去にも『キングダム』『タッチ』の長澤まさみ、『九月の恋と出会うまで』『キル・ビル』の高橋一生主演で映画化された『嘘を愛する女』や『ミスターGO!』『エルネスト』のオダギリジョー、『貞子』『一度死んでみた』の池田エライザ主演の『ルームロンダリング』、『22年目の告白 私が殺人犯です』『きばいやんせ!私』の夏帆、『サニー 永遠の仲間たち』『新聞記者』のシム・ウンギョン主演の『ブルーアワーにぶっ飛ばす』などがあり、比較的良作が多い印象があったが、今作はその定義は壊れてしまった。

印象的なシーンやセリフが予告編で全て使われてしまっていて、それ以上ではなく、キワモノ映画にしても冒険が足らず、『東京残酷警察』や『片腕マシンガール』の様な逆輸入キワモノ映画には、ほど遠いレベルで一昔前のビデオ映画の様だ。仮にそこを目指していたとしても、日本では受け入れられないし、世界にこれが日本映画の最先端と思われても困る。

劇中に度々、トビー・フーパー監督作品『スペースバンパイア』をモデルにしているというワードが飛び交うのだが、実に薄っぺらい。劇中で数々の映画の監督に謝れというシーンがあるが、この映画こそトビー・フーパーに謝るべきである。

この映画で勿体無いのは、ホラー映画オタクという設定であれば、もっともっとコアなオタク設定にして、ホラー映画ネタを大量に盛り込んだ作品なら、パロディ&ネタ映画としてこのクオリティでも成立させられたのではないかと思う。

そして何より残酷なのは「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM」選出作品の特徴として、主演は新人や無名俳優ではなく、それなりの俳優がキャスティングされるという点だ。

主演の2人に加え、脇役には手塚とおるや麿赤兒などの名脇役俳優もキャスティングされているため、無傷では済まないのだ。

点数 44点

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