【ちょこっとレビュー】
『キャッシュトラック』に続いてのガイ・リッチー監督(『アラジン』『コードネーム U.N.C.L.E.』)・ジェイソン・ステイサム(『エクスペンダブルズ ニューブラッド』『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』)主演映画となる本作。毎度のことながら、スタイリッシュなアクションは言うまでもないが、それだけをウリにする時代というのは、もはや終焉を迎えたことを感じさせる。
中心にあるのが、腕は確かだが、即席で作られたチームでミッションを行うといった、使い古されたプロットであるため、ステイサム好きの人にとっては楽しめるかもしれないが、全体的にオフビートで戦闘シーンになるまでの間が物凄く長く感じてしまい、ひとつのアクション映画としては退屈な部分も多い。
キャラクター構造の部分でいうと、ステイサムはいつもと同じようなキャラクターであるが、『キャッシュトラック』に続いて、”巻き込まれる”役を演じているジョシュ・ハートネット(『シャンプー台のむこうに』『デンジャラス・ガイズ』)と『ジェントルメン』だけではないが、最近ペテン師役が多くなってきたヒュー・グラント(『ダンジュンズ&ドラゴンズ』『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』)の掛け合いは良く、このコンビを主人公にした作品にした方が良かったかもしれない。
実際にスピンオフを匂わせるような演出もあったりする。おそらくガイ・リッチーはこのふたりの俳優が最近のお気に入りなのだろう。
後半になってようやくアクション映画としてのテンポを確立したのが、各段に見応えのあるものとなつていくが、どうしても前半のテンポの悪さが足を引っ張っているのが残念でならない。
【ストーリー】
英国諜報局MI6 御用達の敏腕エージェント、オーソン・フォーチュンに下された新たなミッション。それは 100 億ドルで闇取引されるとてつもなくヤバいブツ
=“ハンドル”を追跡・回収すること。フォーチュンは MI6 のコーディネーター・ネイサンや、毒舌の天才ハッカー・サラ、新米スナイパーの JJ という即席チームを率いて行動を開始する。能天気ハリウッドスターのダニーを無理矢理任務に巻き込み、億万長者の武器商人グレッグに大胆不敵に接近。次第に明らかになっていく巨大な陰謀を、フォーチュンたちは阻止できるのか? そして、最高機密“ハンドル”の正体とは!?
【作品情報】
監督・脚本・製作:ガイ・リッチー
出演:ジェイソン・ステイサム、オーブリー・プラザ、ジョシュ・ハートネット、ケイリー・エルウィズ、バグジー・マローン、エディ・マーサン、ヒュー・グラントほか
2023年|英・米合作|英語|カラー|スコープサイズ|114 分|字幕翻訳:大西公子
原題:Operation Fortune: Ruse de Guerre|G
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
コピーライト:© 2023 MIRAMAX DISTRIBUTION SERVICES, LLC. ALL RIGHTS RESERVED. ALL MOTION PICTURE ARTWORK © 2023
STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:https://operation-fortune.jp/
1 0 月 1 3 日 ( 金 ) 、 T O H O シ ネ マ ズ 日 比 谷 ほ か 全 国 ロ ー ド シ ョ ー
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