【ちょこっとレビュー】
今作のテーマをざっくりと言うとすれば、それは「人は見た目じゃわからない」ということだ。
人を知るってどういうことなのだろうか、知っていると思っていても、それは相手のごくごく一部分なのかもしれないのに、それが全てのように思っていることってないだろうか。
いつも近くにいる人、知ってると思い込んでいる人を、改めて別の視点から観察してみるし、そこにいるのは、全く知らない人なのかもしれない。
そんなことを描いている作品なのだが、観ている側としても、はじめに提示された設定から徐々に脱線していくキャラクターたちを観察するという点において、作中と同等の体験ができるようになっているのは巧妙な作りというか、脚本力にも思える。
【ストーリー】
家業の銭湯を継ぎ、夫の悟とともに順風満帆な日々を送るかなえ。しかし突然、悟が失踪する。途方に暮れていたかなえだったが、なんとか一時休業していた銭湯を再開させる。数日後、堀と名乗る謎の男が、銭湯組合の紹介を通じて「働きたい」とやって来る。その日から、住み込みで働くことになった堀とかなえの不
思議な共同生活が始まる。友人・菅野から紹介された胡散臭い探偵・山崎とともに期間限定で悟を捜しはじめたかなえは、悟の知られざる事実を次々と知ることに。それでも、堀と過ごす心地よい時間の中で、穏やかな日常を取り戻しつつあったかなえ。だが、あることをきっかけに、悟、堀、そして、かなえ自身も閉ざしていた、心の奥底に沈めていた想いが、徐々に浮かび上がってくる。それぞれの心の底流(アンダーカレント)が交じりあったその先に訪れるものとはー。
【作品情報】
■出演:真木よう子、井浦新、リリー・フランキー、永山瑛太、江口のりこ、中村久美、康すおん、内田理央 ほか
■監督:今泉力哉『愛がなんだ』『ちひろさん』
■音楽:細野晴臣『万引き家族』
■脚本:澤井香織『愛がなんだ』『ちひろさん』、今泉力哉
■原作:豊田徹也『アンダーカレント』(講談社「アフタヌーンKC」刊)
■製作幹事:ジョーカーフィルムズ、朝日新聞社
■企画・製作プロダクション:ジョーカーフィルムズ
■配給:KADOKAWA
■コピーライト:C豊田徹也/講談社 C2023「アンダーカレント」製作委員会
■公式HP:https://undercurrent-movie.com
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2023年 10月6日(金)全国公開
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