【ちょこっとレビュー】
アメリカには、サマーシーズンによく様々な合宿が行われる。宗教的なものもあったり、今作のように芸術関係もあったりする。
今作は舞台芸術を目指していたり、すでに足を踏み入れている若者たちを対象とした合宿のなかで次々に起こる問題をドキュメンタリータッチで描いたモキュメンタリーである。
現代劇ではあるものの、おそらくキャンプという点において、『13日の金曜日』あたりを意識しているのか、撮り方は少しホラー映画のなかのフッテージ映像風に処理されているのが特徴的ではある。
全体的にはコメディとなっているものの、コメディとしてはあまり良い出来とはいえず、様々な部分で噛み合っていないのが目に見えてしまっているものの、そんな雰囲気自体が一周回って、皮肉的な演出としているようにも感じられることもあり、意図的にそうしているのかもしれないが、単純に退屈さを感じてしまうのは難点。
ただキャストたちの豪華さがそれを多少補っていて、『ディア・エヴァン・ハンセン』の記憶も新しいベン・プラットをはじめ、実際に舞台で活躍する俳優たちが大勢出演していることもあり、歌唱力や立ち回りにはリアリティがある。
今後活躍していきそうな若手を探すという楽しみ方はできる作品かもしれない。
【ストーリー】
ニューヨーク州北部の緑豊かな湖畔に佇むシアター・スクール、アディロンド・アクト。長年ミュージカル・スターを目指す子どもたちを集めるこのスクールで、今夏のキャンプ開校を目前にして校長が昏睡状態に。演劇に無関心な息子トロイが経営に乗り出すが、内情は予想以上に火の車…。皆が愛するスクールの存続のため、キャンプ終了までに出資者の前で新作ミュージカルを披露しなければならない。残された時間は3週間。変わり者揃いの教師と破天荒な子どもたちは果たして舞台を完成させ、スクールを存続させることができるのか…?!抱腹絶倒のユーモアに心奪われ、ミュージカル・舞台の素晴らしさに胸がときめくその先に、笑いと熱い涙が待ち受ける最高にハッピーな感動作が誕生しました!
【作品情報】
■監督:ニック・リーバーマン&モリー・ゴードン
■出演:モリー・ゴードン(『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』)、ベン・プラット(『ディア・エヴァン・ハンセン』『ピッチ・パーフェクト』)、ノア・ガルヴィン(『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』)ほか
■配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン ■全米公開:2023年7月14日 ■製作年:2023年
■製作国:アメリカ ■原題:THEATER CAMP
■コピーライト:©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
■公式サイト: https://www.searchlightpictures.jp ■公式Facebook:https://www.facebook.com/SearchlightJPN/
■公式Twitter:https://twitter.com/SsearchlightJPN ■公式Instagram:https://www.instagram.com/SearchlightJPN/
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