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この映画語らせて!ズバッと評論!!(先取り版)『サバカン SABAKAN』令和のこの時代にド直球な子どもの友情物語をどうぞ!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!(先取り版)『サバカン SABAKAN』令和のこの時代にド直球な子どもの友情物語をどうぞ!!

作品情報

1986年の長崎。夫婦喧嘩は多いが愛情深い両親と弟と暮らす久田孝明は、斉藤由貴とキン消しが大好きな小学5年生。そんな久田は、家が貧しくクラスメートから避けられている竹本健次と、ひょんなことから“イルカを見るため”にブーメラン島を目指すことに。海で溺れかけ、ヤンキーに絡まれ、散々な目に合うが、この冒険をきっかけに二人の友情が深まる中、別れを予感させる悲しい事件が起こってしまう…。

『サバカン SABAKAN』レビュー

まさか令和も4年になるというのに、こんなどストレートで混じりっけのない子ども同士の友情物語を見せられるとは思っていなかった。

家庭が貧しいことから、学校で仲間外れにされている竹本健次という少年との友情を描いていて、昭和だからとか平成だからとか、令和だからとかは関係なく、本来の子どもの純粋さを描いているのが逆に新鮮で特徴的ともいえる。

健次は、今まで友達がいなかったこともあって、距離感がつかめないまま、ちょっと突き放したような態度をするが、本音は仲良くしたいというのがにじみ出ていて、子どもなりの不器用さが垣間見えるのは、今作がデビュー作となる子役・原田琥之佑の力量によるものだ。

子どもの目線、心理描写を大切にしていて、徹底的に子どもに寄り添っている。それによって、子どもだから見える景色、大人には見えなくなってしまった景色を見事に映し出しているといえるだろう。

未来で売れないライターになった孝明が、健次のことを思い出すように語られる物語にはなているものの、その文章自体がどこに出すものでもないだけに、結局のところ孝明は売れないライターのまま、ただ子どもの頃の思い出にふけっているだけにしか思えず、物語の着地点が上手くいってない感じがしてしまうのは難点だ。

点数 77

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